バックナンバー一覧 >> 2007 Vol.19 No.11 >> 特集 |
量子物性の深い理解と高い制御技術によって、高度な情報処理を実現する量子コンピュータの研究が注目されている。本特集ではNTT物性科学基礎研究所における量子コンピュータの研究開発の進展状況を紹介する。 |
半導体量子ドットによる量子情報デバイス
半導体量子ドットを用いて1個1個の電子を正確に制御・観測する技術が進展し、単一電子の量子ダイナミクスを探る研究が盛んに行われています。半導体ナノ構造の物性の理解により、量子情報を操作することのできる量子情報デバイスが実現されるようになり、量子コンピュータへの発展が期待されています。本稿では、量子ドットを用いた量子情報デバイスの研究の進展状況を紹介します。 |
固体ナノ構造中における核スピン量子情報デバイス
核スピン、すなわち原子核が持つ非常に小さな磁気モーメントを利用した量子情報デバイスの実現に向けた研究について解説します。核スピンは量子情報を保持する時間が長いことから、量子ビットへの応用が期待されています。NTT物性科学基礎研究所では、初めて半導体ナノ構造中における核スピンの制御およびその検出に成功しました。 |
超伝導量子ビットと単一光子の量子もつれ制御
単一モード共振器と相互作用する量子ビット系で、もつれた量子状態を自在に制御できれば、量子計算の実現に必須な多ビット間のコヒーレントな結合への可能性が拓かれます。NTTが世界に先駆けて成功したマイクロ波単一光子と超伝導磁束量子ビットの時間領域でのもつれ状態の制御を中心に最近の研究の進展について解説します。 |
原子でつくる量子コンピュータ
原子は量子コンピュータを実現するうえで優れた特徴を持っていますが、原子一粒一粒の運動を制御する技術が最大の問題となります。NTTが世界に先駆け開発に成功した超伝導永久電流アトムチップによりこの問題を解決し、量子計算機を実現する方法について解説します。 |
□主役登場 |
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インターネットの普及とブロードバンド化によって増大するデータトラヒックをスムーズに転送するために、フォトニックネットワークの大容量化が進められている。本特集ではNTTフォトニクス研究所で取り組んでいる最新の技術動向を紹介する。 |
フォトニックネットワーク用デバイス技術の概要
フォトニックネットワークのバックボーンやメトロネットワークに適用するデバイスの研究開発の方向性と、今後ますます大容量化と経済化が進むネットワークに貢献するための重要なデバイス技術の1つである集積化技術について紹介します。 |
集積型ROADMモジュール
実用化が進展しているROADMネットワークにおいて、大幅な小型化・低コスト化を実現するマルチチップPLC集積、およびシングルチップPLC集積技術を適用したROADMスイッチモジュールの最新技術の進展について紹介します。 |
PLC技術を用いたDQPSK用変調器と復調器
伝送速度が40 Gbit/sを超える高速光伝送においては、10 Gbit/sと比較してS/N比や光ファイバ中の分散や非線形現象による波形歪みの問題が顕著となるため、強度変調以外の新しい変調方式が検討されています。その中でも、DQPSK方式は注目されている方式の1つです。本稿では、DQPSK伝送方式の送信側で使われる変調器と受信側で使われる復調器の仕組み、および、それらを平面光波回路(PLC)技術を用いて作製した場合の特性を紹介します。 |
バランス型フォトダイオードモジュール技術
本稿では将来の基幹系長距離光ネットワークの高速・大容量化に向けて注目を浴びている位相変調方式の1つであるDQPSK方式のフロントエンドに使用できるバランス型光受信モジュールの構成、性能などの開発動向について紹介します。 |
高信頼InP-HBT集積回路製造技術
本稿では、進展著しいフォトニックネットワークを支える電気回路技術として、高速化・高機能化・低消費電力化に有利な、化合物半導体InPをベースとしたヘテロ接合バイポーラトランジスタと40 Gbit/s級IC用デバイス・集積回路製造技術の開発動向について紹介します。デバイス高信頼性を実現するためのキーとなる要素技術としてInPレッジ構造を考案しました。 |
高機能波長可変光源技術
波長多重化技術に基づくフォトニックネットワークでは、送信光の波長を任意に設定できる波長可変光源が不可欠です。本稿では、NTTフォトニクス研究所で開発された最新の波長可変光源技術を紹介します。 |
□主役登場 |
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