バックナンバー一覧 >> 2014 Vol.26 No.11 >> 特集 |
昨今、人やインフラの健康状態を簡便に測定し、収集・解析したデータから異常を検知し、病気や事故などを未然に防ぐライフアシスト技術への関心が高まっている。本特集では、NTTグループのライフアシスト技術を支えるデバイス研究の事例を紹介する。 |
社会的課題解決に向けたICTの技術動向とライフアシスト技術
近年、少子高齢化に伴う医療費の増大や社会インフラの維持管理・更新などが社会的課題として取り上げられ、ICTを活用した社会的課題の解決がさまざまな分野・領域で提唱されています。本稿では、社会的課題解決に向けたICTの技術動向について概観し、NTT研究所の取り組みとして、人やインフラの状態を簡便に測定し、収集・解析したデータから異常を検知・予測し、病気や事故などを未然に防ぐライフアシスト技術を支えるデバイス研究の事例を紹介します。 |
ウェアラブル電極インナー技術の応用展開
NTTは、着るだけで生体情報の継続測定を可能にする機能素材「hitoe」を開発しました。hitoeを介して検出された心拍変動や心電波形は、小型専用装置によってスマートフォンやタブレットへ無線伝送され、アプリケーションで手軽に確認できます。こうした技術によって、スポーツ支援、健康増進、安心・安全、医療サポート、エンタテインメントなどの分野における新サービス創出が期待されます。本稿では複数の応用展開の取り組み例を紹介します。 |
スマホで視る血液の流れ —超小型ウェアラブル血流センサ
ヒトの全身を巡り、私たちの生命を支えている血液の流れは、心身の状態によってダイナミックに変化しており、豊富な情報を含んでいます。日常生活における血液の流れを視覚化することができれば、健康や美容、スポーツなどの分野でさまざまな応用が期待されます。本稿では、スマートフォンと連携して、いつでもどこでも血液の流れを視ることを可能にする、超小型のウェアラブル血流センサを紹介します。 |
フルイディクスを用いた生体分子センサ
日々の健康管理に有益な生体分子情報を取得する技術として、マイクロTAS(Total Analysis Systems)が期待されています。現状ではもっぱら検査機関の大型分析装置で行われている化学分析を、誰でも簡単に測定することを可能にする技術です。この技術の中核が液体を扱うデバイスであるマイクロフルイディクス(マイクロ流体制御)です。本稿では、簡単に使えるマイクロフルイディクスを用いて生体分子の測定操作を簡素化し、ユーザが自ら測定できるマイクロTAS技術を紹介します。 |
ナノワット級無線回路を活用した無線センサ端末の低消費電力化技術
本稿では、身の周りのさまざまな情報を取得し活用するセンサネットワークにおいて、センサ端末の小型・長寿命動作を実現するため、無線センサ端末の動作状態に対応した消費電力の考え方を示し、ナノワット級無線回路技術を活用した端末全体での低消費電力化の手法を紹介します。 |
テラヘルツ波による超高速ダウンバースト技術
昨今、医療現場においてCTやMRIなどの医療画像データの大容量化が進むとともにモバイル端末での取り扱いが増加しています。本稿では、大容量データを瞬時に簡便にモバイルデバイスに転送する超高速ダウンバースト技術と、そのための高速無線技術として、100Gbit/s級伝送速度の実現が期待されるテラヘルツ波無線フロントエンドの要素技術について紹介します。 |
医薬分野に向けた連続波テラヘルツ分光システム
テラヘルツ分光法の医薬分野への応用を目指してシステムの小型化を図るために、従来のパルス波方式とは異なる連続波(CW)方式のテラヘルツ分光システムを作製しました。このシステムはサンプルの吸収と位相(誘電率)を同時に測定することが可能であり、0.3〜1THzにおいて75dB以上のダイナミックレンジを示しました。さらに、医薬品分野において溶解性や薬物の吸収性を高めるために開発された新しいタイプの結晶で薬剤分子結晶と各種の添加剤結晶からなる複合分子結晶(コクリスタル)について、その結晶のピークに周波数を固定してテスト錠剤中の2次元分布の測定を分子間相互作用に基づいて行いました。 |
□主役登場 |
|