バックナンバー一覧 >> 2009 Vol.21 No.11 >> 特集 |
KTN結晶は従来の光制御デバイスの限界を飛躍的に拡大する、新たな材料として期待が高まっている。本特集では、NTTフォトニクス研究所の発見した新現象と、その事業化への取り組みについて紹介する。 |
新たな可能性を拓くKTN結晶とその応用技術
KTN結晶が持つ巨大な電気光学効果を利用し、高速広角光スキャナや高速可変焦点レンズの開発を行いました。これらのデバイスは、光通信のみならず光を用いるさまざまな分野に適用可能なため、事業化に向けた取り組みを行っています。 |
高分解能KTN光ビームスキャナの実現
KTa1-xNbxO3(KTN)を用いて、新しい原理に基づく小型・高速の光ビームスキャナを構成できます。こうしたスキャナ素子の応用範囲の拡大には、スキャン分解能の改善が必要ですが、本稿では、分解能の決定要因を明らかにし、結晶品質の制限の下で分解能を向上するために有効なマルチパス構成を紹介します。 |
KTN光ビームスキャナを用いた高速掃引分光器
電気光学結晶KTN(KTa1-xNbxO3)の光ビームスキャナと波長分散素子を組み合わせ、分光器を構成することが可能です。この分光器はマイクロ秒オーダーで広い波長域の光スペクトルを取得できる高速特性を有しています。この特性を活かし、従来の分光器では観測不可能であった発光現象を観測できる分光器の開発を進めています |
KTN単結晶を用いた高速可変焦点レンズ
NTTフォトニクス研究所では、従来よりも1000倍高速の1µsで応答する可変焦点レンズを実現しました。KTN単結晶の大きな電気光学効果を活用し、単結晶に4つの電極を配置しただけのシンプルな構造で、大きな焦点距離の可変性と高速動作が両立できました。今後、レーザ加工などの新しい分野への応用を拓くものと期待されます。 |
□主役登場 |
|