バックナンバー一覧 >> 2009 Vol.21 No.12 >> 特集 |
先進的な加工技術を用いたシリコンフォトニクスによる、光・電子回路混載の高機能光デバイスが求められている。本特集では、低コスト・低消費電力光デバイス開発への取り組みと、革新的な量子暗号通信への応用等の最新成果を紹介する。 |
シリコンフォトニクスの研究開発動向
情報化社会の継続的な発展には、光ネットワークのさらなる大容量・高速化と、電子回路の演算高速化が不可欠ですが、高コストや消費電力急増の課題があります。シリコンフォトニクスは、シリコン上に光回路と電子回路を一体化する光電気融合によって、高機能を維持しつつ、低コスト、低消費電力の達成が期待される技術です。 |
極微小シリコン光回路の偏波無依存化技術
小型で消費電力の小さい通信用光回路プラットフォームとして期待されている極微小シリコン光回路においては、偏波依存性が大きな課題となっています。本稿では、極微小シリコン光回路の偏波依存性の解決方法として、独自の高精度ナノ加工技術と薄膜形成技術を応用した、偏波ダイバーシチ技術について紹介します。 |
光電気融合に向けた極微小シリコン光デバイスと集積技術
シリコンフォトニクスは通信用光デバイスの小型化とともに光・電気デバイス融合集積による高性能化、低コスト化が期待されています。本稿では、光電気融合に向けて開発したシリコン細線導波路型可変光減衰器とゲルマニウム受光器のモノリシック集積作製を例に、シリコンフォトニクスデバイス集積技術の現状について紹介します。 |
シリコン―石英ハイブリッド光スイッチ
光スイッチは、通信容量の拡大に大きな役割を果たしているデバイスです。トラフィックの増加とともに、光スイッチで消費されるエネルギーも増加し問題になりつつあります。本稿では、NTTフォトニクス研究所で開発されたプレーナ光波回路(PLC)技術とシリコンフォトニクス技術を融合して実現した超低消費電力光スイッチを紹介します。 |
シリコンフォトニック結晶共振器による超小型光遅延線の実現
NTT物性科学基礎研究所は、光の波長の数分の1の周期で空気穴をシリコン薄膜中に格子状に並べたフォトニック結晶において、1点に光を1ナノ秒以上捕獲することを可能にしました。さらに、この光を捕獲する光共振器を多数配列化し互いに結合することで、光信号を真空中の100分の1以下の速度で伝搬させることに成功しました。 |
シリコン細線導波路を用いた量子もつれ光子対発生
光子を用いた量子情報処理を実現するためには、高品質な量子もつれ光子対の発生は重要な技術課題です。本稿では、NTTが世界に先駆けて行ったシリコン細線導波路中の非線形光学効果を用いた量子もつれ光子対発生実験について述べます。 |
□主役登場 |
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