バックナンバー一覧 >> 2017 Vol.29 No.3 >> 特集 |
既存光ファイバの伝送限界は100Tbit/sで顕在化すると予測され、新たな伝送基盤技術の研究開発が急務となっている。本特集では、その候補技術として世界的に注目されている高密度空間分割多重光通信技術に関し、NTTの世界最先端の取り組みを紹介する。 |
大容量光ネットワークの進化を支える空間多重光通信技術
本稿では、ブロードバンドネットワークの今後の発展を支える超大容量空間多重光通信技術を紹介します。本技術では、光ファイバ通信システムを構成する光伝送・ノード装置、光ファイバなどにおいて新たに空間の自由度を考えた構成・設計を行います。シングルモードファイバ(SMF)の物理限界を克服し、光ファイバ1心で現在の100倍以上の1Pbit/sを超える大容量伝送と10Pbit/s以上のノードスループットを持つ将来の光ネットワークの実現をめざします。 |
高密度空間分割多重(DSDM)長距離光伝送基盤技術
次世代の大容量光通信ネットワークを支える光伝送技術として、マルチコア/マルチモード空間多重技術が検討されています。本稿では、空間多重を用いた光伝送技術の最新動向を述べ、関係各社と連携して進めてきた空間多重数が30を超える世界最先端の高密度空間分割多重(DSDM: Dense Space Division Multiplexing)超大容量長距離光伝送技術を紹介します。 |
高密度空間分割多重(DSDM)フォトニックノード基盤技術
これまでの大容量のトラフィックを転送する光伝送基盤ネットワークでは光信号を伝送する伝送技術と光信号を波長で多重分離、経路設定を行うROADM(Reconfigurable Optical Add/Drop Multiplexer)などのフォトニックノード技術で構成されています。本稿では、大容量の光ネットワークの実現のために高密度空間分割多重(DSDM: Dense Space Division Multiplexing)技術を適用するフォトニックノードの概要と可能性について紹介します。 |
空間分割多重光増幅基盤技術
本稿では、空間分割多重光伝送システムにおける複数の空間チャネルを一括して増幅するための光増幅技術として研究開発を進めている、マルチコアファイバ技術やフューモードファイバ技術を応用したマルチコア・エルビウム添加ファイバ増幅器、およびフューモード・エルビウム添加ファイバ増幅器について紹介します。 |
空間チャネルを活用した新たな光ファイバ基盤技術
現在の光通信ネットワークをつないでいるシングルモードファイバ(SMF)は、100Tbit/s程度が実現可能な伝送容量の上限と考えられています。このSMFの通信容量限界を打破するために、 1本のファイバに複数の空間チャネルを有するマルチコアファイバ・マルチモードファイバといった空間多重用光ファイバが検討されています。本稿では、空間多重用光ファイバの最新動向を紹介します。 |
低損失・フィジカルコンタクト接続を実現するマルチコアファイバ用光コネクタ基盤技術
NTT研究所では、将来の大容量伝送システムにおける伝送媒体として期待される、マルチコアファイバ(MCF)の接続技術の確立に向けて、従来の光コネクタと同等の性能をめざした研究開発を推進しています。本稿では、低損失にフィジカルコンタクト接続を実現するMCF用コネクタと、MCFとシングルコアファイバ(SCF)を接続する着脱可能なファンイン/ファンアウトデバイスを紹介します。 |