NTT技術ジャーナル記事

   

「NTT技術ジャーナル」編集部が注目した
最新トピックや特集インタビュー記事などをご覧いただけます。

PDFダウンロード

グループ企業探訪

第262回 株式会社NTTデータユニバーシティ

お客さまの「人材育成パートナー」として、未来を創る組織開発・人材育成への道をお客さまとともに楽しく走りたい

NTTデータユニバーシティは、人材育成サービス提供を専業とする会社で、NTTデータグループ社員の人材育成の体系構築や制度設計・研修運営を支援しているほか、そこで蓄積した知見を活かした人材育成サービスを多様多彩なお客さまへ提供しています。近年注目を浴びている人材育成というテーマに向き合う藤原慎社長にお話を伺いました。

NTTデータユニバーシティ
藤原慎社長

人材育成サービスを提供する会社だからこそ、お客さまから学ばなくてはいけない

■設立の背景と会社の概要について教えてください。

NTTデータユニバーシティは、NTTデータ人材開発部を前身として、NTTデータグループ各社の人材育成を担うシェアードサービス会社として2001年に設立されました。
設立当初は、人材育成施策を中心に事業展開してきましたが、ここで得られた経験や知見をアセットとして活かし、変化・拡張させながら、人材育成のプロフェッショナル集団を擁する「人材育成パートナー」として、NTTデータグループのお客さまをはじめとして、あらゆる業界のお客さまへ人材育成関連サービスを展開し、お客さまから継続して信頼いただけることをめざして日々活動しています。
さて、ここ20年ほどの間にITやその活用分野も、スマートフォン、IoT(Internet of Things)、生成AI(人工知能)の登場等、大きく変貌を遂げました。このように新たな技術を活用して効率化とイノベーションにつなげていく、デジタルトランスフォーメーション(DX)に世の中の注目が集まる中で、経済産業省においても、新たな時代に即したデジタル人材政策の1つとして「デジタルスキル標準(DSS)」を取りまとめるなど、IT人材を育成していくことの重要性・関心はあらゆる分野で高まり続けています。
進歩し続けるITを活用しリードしていくデジタル人材は、ITに関する知識・スキルに加え、モラル・コンプライアンスに対する高い知見や豊かな人間力を身に付けていくことが必要になります。当社は、これまでもIT関連ビジネスを担う人材を育成する観点から、最先端の技術から成熟した技術、会社運営スタッフが必要とする知識に至るテクニカルスキル・ハードスキルと、組織マネジメント・リーダーシップ・人間力といったビジネススキル・ソフトスキルの両面で多彩な研修コンテンツを、時代の要請に沿うように常に見直しを行いながら取りそろえ、提供しています。

■具体的にどのような事業展開をしているのでしょうか。

当社は、2022年4月に更新した統合人材育成サービスプラットフォーム「Olive One®」を中核に、「研修サービス」「人材育成コンサルティング」「研修運営アウトソーシング」「eラーニング制作運用」等のサービスを提供しています(図)。お客さまの経営課題と人材育成施策が調和するように、お客さまの人材状況調査や人材育成計画立案の支援を通して、目的に合った研修を受講していただくことにより、ニーズに適応した施策を実現していただきます。また、それをさらに効果的なものにしていくことにも取り組んでおり、①HR(Human Resource)アナリティクス、②組織開発、組織サーベイ、③キャリア支援等、Edtechを組み合わせたサービスを進化させています。
今はデータを管理するだけではなく、より積極的かつ実効的に活用していく時代ですから、お客さまには人材育成・組織開発においても、人材育成に関する各種データ提供・分析に注力することで、よりデータを重視した取組みを実践していただけるようにしたいと考えています。
また、人材育成のプロセスを通して、組織としてのパフォーマンス向上を図ることもめざして、組織状況の調査やそれに基づく対策のご相談にも応じています。
そして、少子高齢化・人生100年時代・リスキル・ジョブ型雇用の拡大など、ジョブキャリア・ライフキャリアを取り巻く状況も変化しつつあることから、お客さまのキャリア支援にも精力的に取り組んでいます。
これらの取り組みにおいては、個々人の力だけでなく、複数の力を掛け合わせることでより大きな知恵を生み出すことができると考え、コミュニティ形成やコミュニティ運営のサポートも行っています。

市場・お客さまの人材育成ニーズの変化への対応

■事業を取り巻く環境はどのような状況でしょうか。

従来の研修事業は、受講者が研修会場に集まって学ぶスタイルの対面・集合形式が中心となっていましたが、新型コロナウイルス感染拡大にあたっては、新入社員研修を含めたほぼすべての研修をオンラインに切り替える必要がありました。このため、オンライン会議システムを活用したライブオンライン型や、いつでも受講することができる動画を活用したオンデマンド型で研修を提供するために、コンテンツ内容や運用をすべて見直し、提供しています。
コロナ禍で研修を運営していく中で、現時点のITの技術水準を背景としたライブオンライン、オンデマンド、対面それぞれのメリット・デメリットが明らかになってきています。グループでの演習やディスカッションといった対面での集合形式が効果を発揮するものと、ライブオンラインやオンデマンドで提供すべきものを効果的に組み合わせ、人材育成のDX化をさらなるステージに加速・昇華させることで、刻々と変わりゆくお客さまニーズに合った研修を提供していく必要があると考えています。
また、最近ではお客さまの経営においてもタレントマネジメントや人的資本開示がキーワードとして大きく取り上げられるようになり、HRデータ活用の重要性がより高まっています。当社では、「Olive One®」を活用し、お客さまニーズに合った研修の提供とともに、受講履歴やアンケート・テストデータを蓄積することや、受講者の人材タイプ(職種)に合わせてスキルの可視化や研修のレコメンド(推奨)を行っています。また、お客さまのサポートができる機能の拡充を図り、さまざまなHRデータを、アセスメントや調査と組み合わせながら、最適な配置やサクセッションプランなどに活用できるようなコンサルティングサービスの提供も開始しています。

■今後の展望についてお聞かせください。

お客さまとのお付き合いを通して、人材育成や組織についての悩みや課題は、各社各組織に共通することもありますが、お客さまごとに異なるものも多々あることを教えていただきました。昨今は、人材への関心がより一層高まっており、人材育成に関する課題を背景事情も含めてより深く共有させていただき、お客さま自身が策定する計画・施策として実現していくこと等を支援することで、お客さまの事業にできる限りの貢献をしていきたいと考えています。
さらには、お客さまへの貢献を通じて得た実績や知見については、付加価値を高めながら継続し意義ある支援に結び付けていきたいと考えていますし、それを通じて社会全体への人材育成高度化の一助とすべく活動することができれば嬉しいです。このためには、当社や当社の社員自身が、お客さまとともに学び続けることがとても大切だと感じています。
当社の社員は、さまざまな業種・業態の会社・組織から入社した方が多く、NTTデータグループ各社の持つITサービスに関する知見・経験に加えて、多種多様な視点を組み合わせてお客さまとともに学び、支援ができることも、より強みとしていきたいと考えています。
お客さまの「人材育成パートナー」として、事業の未来を創る組織開発・人材育成をお客さまと切磋琢磨しながら進めていきたいです。

担当者に聞く

コロナ禍が、お客さまを継続的に支える私たちの価値を再認識させてくれた

サービスオペレーション部
林 寛さん

■担当されている業務について教えてください。

NTTデータグループ各社の入社1、2年目社員向けの研修やIT関連の研修の運営を担当しています。
コロナ禍以降、研修サービスは、対面型の研修から、自宅や職場からオンラインで参加する研修へと提供方法が大きく変わりました。
当初は、研修をオンラインで開催することは未経験でしたので、集合研修を開催しながら、手探りでオンラインへと徐々に切り替えていく状況で、外部のWeb会議システムや、クラウドサービスを検証しながら採用し、研修で利用できるよう環境を整備してきました。
研修の継続も危ぶまれる状況下において、研修が途切れることがないよう対応していく中で感じたのは、多くのお客さまにとって、研修は受講者個々人のスキル向上だけでなく、お客さまの業務や組織の継続性に直結しているということでした。
新入社員研修をはじめ、多くの研修では、業務に必要なスキルを研修で習得してから、現場に配属するように計画されています。そのため、研修が開催できなくなると、現場への配属の遅延や、スキル未習得のままで現場へ配属となる等、お客さまの業務に大きな影響を与えることになります。そうした意味でも、研修を中断させることなく、オンライン研修を提供できたことは、当社の価値を改めて見直すきっかけとなりましたし、多くのお客さまからも評価いただけた理由ではないかと思います。

■今後の展望について教えてください。

今後も、当社サービスの継続性がお客さまの業務や組織の継続性につながっているという自覚のもと、お客さまのニーズや社会環境の変化に合わせて、迅速、かつ柔軟に対応し、お客さまの事業や組織の成長に寄り添った、サービス提供を続けていきたいと思っています。

新たな技術、新たなサービスで、お客さまの社員個人と組織の成長を支えたい

サービスディベロップメント部
猪狩 義貴さん

■担当されている業務について教えてください。

サービスディベロップメント部のR&Dチームにて、主に新サービスのプロトタイピングやデータ分析などの業務を担当しています。
プロトタイピングでは、クラウド上での演習環境の開発、BERTやGPTなど最新の自然言語モデルを活用した社内での問合せ対応システムの検討などを行ってきました。
またデータ分析業務としては、研修の効果測定をはじめ、テレワーク普及に伴う社内コミュニケーションの変化に関する調査などにも取り組みました。
最近ではNTT DATAと連携し、人事データを基に人材育成におけるボトルネックを分析し、人事施策の検討をデータドリブンで支援するといったことも行っています。データ分析業務においては、新人研修など研修効果を分析し、改善を続けてきた社内のノウハウと、AIサービス関連の認定資格を保有する自身の知見を活かし、お客さまに+αの価値を提供できるよう心掛けています。

■今後の展望について教えてください。

今後は、キャリア自律支援に一層注力していきたいです。お客さまの社員1人ひとりが理想のキャリアを描き、自律的にスキルアップを追求する姿勢をサポートすることが、組織全体の成長につながると考えています。現在R&DでChatGPTやAIを使いキャリア面談の効果向上に向けて取り組んでおり、この活動で得た知見を活用し新規サービスの開発を進めたいです。
また、私が所属するチームでは個人の成長のみならず組織全体の成長を支える取り組みも行っています(人材育成と組織開発)。研修の分析を通じ1人ひとりの成長の知見を蓄積し、チームコンディションの予測や組織コミュニケーションサーベイから組織開発の知見も蓄積しています。
個人と組織の成長支援に向けてテクノロジ面から支援できるよう取り組みたいと考えています。

NTTデータグループ各部署、各社とも連携して、お客さまの課題に向き合っていきたい

セールスプロモーション部
西澤 仁さん

■担当されている業務について教えてください。

セールスプロモーション部にてNTTデータグループ各社以外の一般顧客(外販)の営業担当をしています。
コロナ禍以降、各社のDXが進みIT施策のみならずDX施策に関してどのような取り組みを実施すべきかお悩みの企業が増えてきました。全社員のDXリテラシーを向上させたい、どこから手を付けてよいか分からないなど、各社の悩みはさまざまです。個別の研修の提供のみを行う場合もありますが、当社にてアセスメントやサーベイを実施し、現状の可視化を行い、人材像定義やスキル定義の策定、各定義・レベルに合わせた研修体系の策定を行うなど人材育成全般の対応をしています。
その際に、NTTデータグループ各社の各法人担当CR(Client Representative、営業担当)やコンサルティング部門と連携し、NTTデータグループ各社の知見を入れながらお客さまの人材育成の悩みや課題に関して解決策を提示することも多くあります。また、CRからお客さまの要望に即した提案ができないか相談を受けるケースもあり、今までの事例など示しながら提案を行い、各施策の提供を行っています。

■今後の展望について教えてください。

NTTデータグループとして協力をすることで上流から下流まで一気通貫で人材育成に携わることができ、顧客満足の向上につながると考えています。今後もお客さまから1ベンダでなくパートナーとして考えていただけるように、引き続きお客さまに寄り添ったサービスをしていきたいと思います。

ア・ラ・カルト

■全面リニューアルした食堂「駒テラス」

本社の周囲は、文教地区のため、高層ビルはなく、緑豊かな公園と高校などの教育施設に囲まれています(写真1)。地下1階から地上4階建ての社屋は、「NTTデータ駒場研修センター」の名称が示すとおり、1階から3階までは、可動式階段椅子を備えた最大500人程度収容可能なイベントホール、各種教室など、すべて研修施設となっています。また2020年に全面リニューアルし、とても綺麗でお洒落な空間となった食堂「駒テラス」があり、来館いただいた皆様に温かな食事とリラックス感が提供されるそうです(写真2)。

■弥生式土器が出土

駒場研修センター建築工事中、敷地を整地していたところ「弥生式土器」が出土したことから、急遽文化財保護目的で、発掘調査が開始されることとなったそうです。そのときに出土した弥生式土器は、駒場研修センター完成後、数年間にわたり、エントランスに陳列(現在は区に返還)されていたので、昔からの訪問者の中には、記憶に残っておられる方もいらっしゃるのではと思います(写真3)。当時は、土器を見ながら弥生時代のこの地に思いをはせた方もおられたかもしれません。

■有志による清掃活動

駒場研修センターの周囲は緑が多く、特に正面玄関前は桜並木が続いています。社会貢献活動における小さな取り組みとして、月1回有志による周辺の清掃活動を行っているそうです。葉桜に移りゆく時期の桃色の絨毯や、紅葉時期の落ち葉拾いは、なかなか骨が折れる作業ですが、毎年春になり見事に咲き誇る姿を見れば、苦にならないとのことです。

DOI
クリップボードにコピーしました