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2026年8月号

For the Future

社会基盤としてのデータセンター:AI需要への対応と持続可能性 (後編)

成長を続けるデータセンタ市場においては、AI(人工知能)需要への対応が重要となっています。データセンタがAIに対応するためには、目的に応じて、立地や構造など、従来のデータセンタとは異なるものとする必要があります。本稿では、AIデータセンタと従来のデータセンタとの違いと、求められるものは何かを踏まえ、AIデータセンタの新設動向や、課題解決をめざしたネットワーク技術、サービスの進展について報告します。

はじめに

前編では、最近注目が高まっているデータセンタについて、市場の概況と変化、それがもたらす電力需給のひっ迫、経済安全保障上の課題と解決の方向性、今後の動向について報告しました。今後の動向としてもっとも重要なのはAI(人工知能)需要への対応です。AIの社会的な役割が増し、AIへの需要が増えるにつれて、データセンタへの需要も増加します。また、データセンタがAIに対応するには、学習や推論などの目的に応じたものでなくてはならず、冷却の方法、立地や構造も、従来のデータセンタとは異なるものが求められます。
増えるAI需要にこたえるには、単体のデータセンタの能力を向上させるだけでは十分ではありません。学習や推論のデータがあるべき場所にあって、求められる時間内に、求められる「答え」を出す必要があります。クリティカルな業務には、信頼性の高さも重要です。また、状況に応じて変わる要件へ動的に対応できる柔軟性や、自律化、自動化も必要になります。今回は、そのようなAI能力を備えるAIのためのデータセンタに関する動向を報告します。

AIデータセンタ

■AIデータセンタに求められるもの

最近、世界各国や日本で「AIデータセンタ」新設に関するニュースが相次いでいます。では、AIデータセンタは従来のデータセンタと何が異なるのでしょうか。
従来のデータセンタは、クラウドサービスや業務アプリケーション、データベースなどCPU中心の汎用的な処理を想定してつくられています。一方、AIデータセンタはGPU(Graphics Processing Unit)、TPU(Tensor Processing Unit)といったアクセラレータを大量に用い、AIの学習(training)や推論(inference)に最適化されています。
このように、用途と使われる機器が異なることから、AIデータセンタにおいては、消費電力が大きく、エネルギー源、建物の構造、冷却方式も従来と異なることが多くなっています。このことは、立地、ネットワークの違いにもつながっています。
(1) 消費電力
AI関連のワークロードの電力需要は、AI関連以外のものよりも急速に成長するとみられています(図1)。2030年のAI向け電力需要は2025年の約3.5倍と、非AI向けの約1.7倍に比べて大幅に増加する見込みです。
ラック単位でみても、AIにおける学習のワークロードは、数年以内にラック当り1MWにも達するといわれています。これにより、データセンタ当りの電力消費量も増加しますので、これに対応した電力調達が必要になります。従来からデータセンタへの送配電は大きな課題となっていますが、データセンタの電力需要がさらに増すことで、この問題がさらに大きくなっています。系統整備のために数年以上の工期を要することもあり、これがデータセンタプロジェクトの遅延につながっています。また、系統整備にかかる費用負担も課題となっています。データセンタへの電力供給に必要な新たな電力インフラの費用が、消費者に転嫁される場合があることも指摘されています。
さらに、系統が整備できたとしても、AIデータセンタは従来のデータセンタと比べて、電力需要の変動が激しいことも新たな課題となっています。送電網への接続に時間を要することから、敷地内で天然ガス発電などオンサイト発電のプロジェクトが進んでいますが、電力需要の変動に対応するためには、蓄電池も不可欠な技術となりつつあります。
(2) エネルギー源
AIデータセンタにおいては、必要な電力を調達できればよいだけではなく、エネルギー源についても考慮する必要があり、再生可能エネルギーへの需要が増加しています。国際エネルギー機関(IEA)の報告によれば、2025年に締結された再生可能エネルギー電力購入契約(PPA)の中で、テクノロジ業界によるもの(多くはデータセンタ関連と思われます)が約40%を占めたとされています(1)。近年、データセンタでは、再生可能エネルギー源を含むPPAの採用がますます進んでおり、年ごとの増減はあるものの増加傾向にあります。国・地域別の割合をみると、米国一国で、欧州全体を上回る量の契約が行われています(図2)。
再生可能エネルギーPPA全体でみた電力の用途としても、データセンタの占める割合が高まっています。各地域での再生可能エネルギーPPAにおけるデータセンタのシェア(2021年から2025年)をみると、米国の約65%はデータセンタ向けでした(図3)。このほか、前編でも述べたように、原子力や地熱発電活用に向けた取り組みも進められています(2)
(3) 建物の構造
AIデータセンタでは、建物の構造も従来のデータセンタとは異なります。大きな要因の1つは床荷重です。従来型のサーバーラックが500~700kgであったのに対し、フル実装のGPUラックは、1000~1,500kg、場合によってはそれ以上に達するともいわれています。この重量を多層階で支えるとコストが割高になることから、階数が少ない構造が選ばれやすくなっています。例えば、Microsoftの最新鋭のAIデータセンタである「Fairwater」は2階建てですが、それでも実現は簡単ではなかったとみられています。
それから、床荷重の増大により、従来のデータセンタで多く使われていたフリーアクセスフロア(二重床)が見直され、直置きを採用する動きも出てきています。安価で、より大きな床荷重に対応でき、機器の固定も容易であること、耐震性に優れることなどが評価されています。
(4) 冷却方式
冷却も課題です。データセンタでは、機器から熱を発生しますが、機器の動作環境を維持するために(熱による機器の誤動作等を防ぐために)、温度を一定範囲に保つ必要があります。このため、従来のデータセンタでは、アイルコンテインメント(排熱の熱気と空調の冷気を分離して空調効率を高める仕組み)などを活用しつつ、空冷(空調)で冷却されていました。しかし、GPUなどの発熱には空冷では対応できなくなりつつあります。
これに対応するのが液冷です。水の体積当り熱容量は空気の約3300倍となります。液体を用いることで、高性能で発熱も多くなりがちなGPUサーバなどを効率的に冷却することができるのです。なお、実際には水ではなく特殊な液体が使われることもあります(表)。
液冷の方式はいくつかありますが、代表的なものを2つ挙げます。1つは直接液体冷却方式(DLC:Direct Liquid Cooling)です。冷却水をチューブでサーバ内部に引き入れ、GPUなどに取り付けた「コールドプレート」に流し込んで冷却します。Statistaのデータによれば、DLCの需要は急増しており、市場規模をみると、2029年には2024年の5倍以上となるとの予測もあります。
もう1つは、液浸冷却です。これはサーバを、熱を吸収するための液体に浸漬して冷却します(図4)。もちろんこの場合、冷却には電気を通さない液体が使われます。液浸は、冷却効率が極めて高くなるのが最大の利点で、DLCよりも高効率です。また、サーバにファンを設置する必要がなくなることから、同じ設置面積により多くの計算資源を収容することができます。一方で、すべての部品が液体に耐えなくてはならず、専用の機器が必要になること(例えば、光ファイバコネクタは浸漬できないため、機器の構造を変える必要がある)などの課題もあります。
また、DLCにしても液浸にしても、液体が漏洩した場合には大きな障害につながります。導入には高額の初期投資を要しますし、保守も空冷に比べより複雑になります。液冷技術自体は長年にわたり研究、提案されていますが、これらの問題から普及が進んでいませんでした。しかし、AIデータセンタで排熱の問題が大きくなるにつれて注目が集まり、最近導入が進んでいます。

■AIデータセンタの新設動向

AIデータセンタの立地(サイト選定)も変わりつつあります。AIデータセンタでは、上記の課題を踏まえ、立地の決定要因が、「利用者への近さ」から「電力・冷却・土地の確保しやすさ」へと大きくシフトしています。
具体的には、電力と通信の効果的な連携をめざす日本の「ワット・ビット連携」について前編で紹介しましたが、国内では、ソフトバンクが北海道苫小牧市で、2026年度中の開業をめざして「北海道苫小牧AIデータセンタ」の建設を進めています(3)。NTT東日本グループのNTT-MEも、北海道石狩市でコンテナ型AIデータセンタ「JPDC AI Container Village@石狩」のプロジェクトを開始しており、最短で 2027 年 4 月の稼働開始を計画しています(4)
(1) 米国の動き
海外でも同様で、一例として米国をみてみると、AIインフラを提供するCrusoeは、2024年6月に米テキサス州アビリーンでStargateキャンパス建設を開始し、最初の200MWを2025年9月に稼働開始しました。これは、風力、太陽光を含む、低コスト、未使用の電力の活用を想定して選定されたとされています。ただし、系統電力への接続に5年程度を要するため、オンサイトでの天然ガス発電を併用します。その後の増設計画では混乱もみられたものの、大都市、データセンタ集積地ではなかった場所で、安価で広大な土地と安価な電力を確保する方向です(5)。このほかにも、立地選定にあたり電力や土地の確保しやすさを重視したとみられるAIデータセンタが複数開設されています。例えば、Metaがルイジアナ州リッチランド郡で開設した「Hyperion」やxAIがテネシー州メンフィスに開設した「Colossus」、AI特化型プロバイダであるCoreWeaveのノースダコタ州、ワイオミング州などがあります。
(2) 大手クラウド事業者の動向
「ハイパースケーラー」とも呼ばれる大手クラウド事業者は、従来のクラウドサービスに加えてAIサービスを強化しており、このための大規模データセンタを拡充しています。AWSは、米インディアナ州ニューカーライル近郊で巨大なデータセンタキャンパスを構築しており、これを中心として、「Project Rainier」と呼ばれる「マルチロケーション型スーパーコンピュータ」により、(Amazonの出資先でもある)AnthropicのClaudeモデルのトレーニングをより効率的に実行できるようにしています。また、これとは別にOpenAI向けにも別のキャパシティを提供していますし、AWS自身のAIサービスも自社顧客向けに提供しています(6)
Microsoftは、2025年9月、米ウィスコンシン州マウント・プレザントにAIデータセンタ「Fairwater」を新設したと発表しました。これはOpenAIとMicrosoft AI Superintelligence Teamが高度なGPUを使うために設計されています。また、Fairwaterは単一で巨大なAIスーパーコンピュータとして動作するよう構築されており、フラットなネットワーキングで数十万個の最新NVIDIA GPUを接続するとしています。第2のFairwaterサイトがアトランタに設置されているほか、米国の複数拠点で同一仕様のFairwaterサイトを建設中です(7)(8)
Googleは、「AI Hypercomputer」として、「AI/MLのワークロードをサポートするために最適化されたスーパーコンピューティングシステム」を提供しています。「campus-as-a-computer」として、キャンパス全体を1台のコンピュータとみなすとの考え方を提示し、「トレーニングの需要は、もはや単一のデータセンタの電力やスペースの限界を超え、統合されたマルチデータセンタ・ドメインを必要としている」として、複数サイトを束ねてコンピューティング能力を提供していると述べています。なお、同社はAWSやMicrosoftのように中心となるAIデータセンタがどれかを明示せず、個々のデータセンタの情報のみを示しており、どれが「AI Hypercomputer」向けかは開示していません(9)。また、GoogleもAnthropicへのTPUキャパシティの提供契約を締結しています。
このように、大手クラウド事業者は、構築や情報開示の考え方に差はあるものの、AIインフラやサービスを大規模に提供するため、AWSのニューカーライルのように従来のデータセンタ集積地(大都市近郊)から離れた場所で大規模なAIデータセンタを開設し、さらに、Microsoftのマウント・プレザントとアトランタのように複数のデータセンタを連携させることで、大規模なコンピューティング需要にこたえています。

ネットワークが支えるAIデータセンタ

多くのユーザがいる大都市から離れた場所で複数のデータセンタを連携させてコンピューティングを行うには、ユーザとのデータのやり取り、データセンタ間連携でのデータのやり取りのいずれにおいても、大容量、低遅延のネットワークが求められます。ユーザのリアルタイムの要求にこたえる推論と比べると、学習では一定の遅延が許容されるとの考え方もありますが、大規模な同期学習では、遅延すると速い機器が遊休化し、性能が落ちてしまいます。また、障害の影響をシステム全体に波及させないためには、ネットワークの信頼性も重要です。

■AIを支える3つのネットワーク

AIを支えるネットワークは、3つに大別することができます。
まずはスケールアップが進むラック内です。複数のアクセラレータ(GPU・TPU・専用ASIC等)を束ね、1つの巨大な単一アクセラレータとして利用するため、大容量の帯域と、サブマイクロ秒~ナノ秒級の超低遅延が求められます。電力密度が高く、冷却には空冷では足りず、液冷が必須となることもあります。配線について、NVLink+NVSwitchでは距離が短いため銅配線が主流になっている一方で、TPUのスケールアップでは光回路スイッチを用います。ラック内の制約を超えてスケールアップ・ネットワークを拡張する動きもあります(10)
次に、ラック間です。同一データセンタ内で、多数のラックを相互接続し、数千~数十万のアクセラレータのクラスタを構成します。スケールアウト・ネットワークとも呼ばれます。800 GがAIバックエンド網の標準になりつつあるとみられていますが、2027年までには大半が1.6Tbit/sに移行し、2030年までにはほとんどが3.2Tbit/sになるとの予測もあります。機器の遊休化を避けるため、高帯域とともに、予測可能な遅延が重要です。ここでは、光ファイバの利用が中心とされます(11)~(13)
次は、データセンタ間のネットワークです。大手クラウド事業者の動きについて述べてきたように、単一のデータセンタでは、学習などの需要にこたえきれなくなっており、複数の建物、地域にまたがって計算が行われています。Data Center Interconnect(DCI)と呼ばれ、ここでは、長距離の光ファイバが用いられます。Google Cloudの公式ブログ(2026年5月)によれば、AIネイティブなCloud Interconnectは400Gbit/sリンクを3.2Tbit/s刻みで拡張し、Pbit/s級の容量に達するとされています(14)

■ネットワークの進化

3つのネットワークそれぞれの分野で技術革新が続いています。銅線が使われている部分でも、速度や消費電力の観点から光化が進むとみられており、光をチップやスイッチASICの近くまで安価・低電力で持ち込む「コパッケージド・オプティクス(CPO)」の開発も進んでいます。
DCIについては、例えば、米LumenがAIデータセンタの相互接続向けのサービスを強化しています。同社は、2025年11月に米ダラスで開催されたイベント「GNE (Global NaaS Events) 2025」で、「Cloud 2.0」をアピールしました。「ネットワーク帯域こそがAI学習コストを決定する」として、GPUのアイドルコストを考えれば、帯域への投資コストは取るに足らないと主張し、高帯域・低レイテンシ(400 G〜1.6Tbit/sが最低水準)や、新たな「AIコリドー」への地理的拡張などがAI経済のために必要と述べました。既存の主要ハブでの密集化と、電力・水・用地を求めた非伝統的立地への分散化が同時に起こり、フラットなWANから、エッジ・データセンタ間相互接続・ハイパースケールバックエンドファブリックへの三層分解が進むとしています。そして、「顧客がオンデマンドで頻繁に接続を変更できる、柔軟なネットワークファブリック」を提供することにより、顧客企業がこれらのネットワークを所有・運用・保守する必要は実質的になくなると述べています。
また、NTTは2026年4月、グループ各社とともに、AI需要の拡大に合わせ、データセンタの拡張や液冷対応の高度化を継続的に進めるとともに、GPU等の計算・ネットワーク・電力といったリソースを最適化し、エッジまで含めたオペレーションを実現するAIネイティブインフラ「AIOWN」を展開すると発表しました。データセンタの旺盛な需要にこたえ、現状のIT電力容量約300MWから2033年度に向けて3倍超の約1 GWに拡張する計画で、多くの企業が集まり、より低遅延性が求められる都市型、AI学習のために豊富な計算資源を持つ郊外型、低価格かつ再生可能エネルギーの活用が活発な遠隔地型のそれぞれを戦略的に展開するとしています。また、これにはNaaS(Network as a Service)への対応、複数の拠点のGPUリソースを、あたかも同一の環境のように統合的に、AI利用に合わせて最適に利用できるリソースマネジメント機能なども含まれています。これまでにも、IOWN APN(All-Photonics Network)のサービスがありましたが、これをさらに拡充するものです。分散配置されたデータセンタや、サーバ間をつなぐ低遅延ネットワークなどの需要にこたえるものといえるでしょう。
このような光ネットワークへの需要増加は、光ファイバベンダ各社にも好影響をもたらしています。CorningはLumenと2024年8月に光ファイバの供給契約を締結し、契約後2年間、Corningのグローバル光ファイバ生産能力の10%がAI対応データセンタ相互接続用に確保されるとしました。また、2025年5月、CorningはBroadcomと、データセンタ内の処理能力を大幅に増加させるCPOインフラに関する協業を発表しました。日本企業でも、フジクラや古河電気工業など関連企業が急成長しています。マルチコアファイバなど、長年技術開発が行われてきた分野にも、改めて注目が集まっています。

世界各地の動き

これまでは米国の状況を中心に述べてきましたが、欧州やアジアでもAIデータセンタの拡充に向けた活発な動きがみられます。

■欧州

欧州では、都市部での新たなデータセンタ建設が難しくなっていることを背景に、北欧など、冷涼で自然エネルギーの活用がしやすい場所でのデータセンタ活用が進められています。例えば、Microsoftは2025年9月、AIハイパースケーラーのNscaleと産業投資会社Akerとの間での契約で、ノルウェー北部(Narvik)で計画される大規模AIインフラプロジェクトからコンピューティング能力を調達することを明らかにしました。Microsoftはこれにより「欧州全域に持続可能なAIインフラを提供する」としています。

■アジア

アジアをみますと、シンガポールでは、データセンタ建設に関し、一時モラトリアムの状態となっていましたが、現在は解除されており、シンガポールと周辺地域(マレーシアなど周辺国を含む)での役割分担が進んでいます。中国では、東部地域のデータを西部地域に移転して計算する「東数西算」プロジェクトによるデータセンタ配置の最適化が進んでいます。東部の大都市圏から離れた西部のデータセンタは、リアルタイムな計算や超低遅延を必ずしも必要としないことから、エネルギー集約型の計算を行っているとされます(一方で、東部と西部のハブノード間のネットワークレイテンシが20msの要件を満たしたとの発表もあり、低遅延に向けた取り組みは進められています)。いずれも、電力や土地の確保のしやすさなどを優先した動きといえます。

まとめと今後の見通し

AIによる社会変革、社会課題の解決への期待が高まる中で、AIに不可欠であり、サービスをつくり出す「デジタルの工場」であるデータセンタへの期待も高まっています。一方で、AIデータセンタによる大量の電力消費など課題も顕在化しており、今後は、AIの役割がより重要なものとなる中で、AIを持続可能な方法で、より安定的に活用するにはどうすればよいかに注目が集まるものと予測されます。データセンタの立地に影響する要因としては、データセンタの目的(用途)に加えて、ネットワーク、電力、用地、建設、人、規制、地域との関係といったものが考えられます(図5)。
それぞれの重要度は、目的・用途や市場の状況によって異なります。電力が大きな課題になっていますし、ほかにもさまざまな課題がありますが、AIデータセンタの最適化に向けた課題解決の重要な鍵の1つがネットワークです。個々のアクセラレータやサーバの機能改善だけでは需要にこたえきれなくなっており、ネットワークによるラック内、データセンタ内の高速化と、分散されたデータセンタによる連携処理が不可欠となっています。また、課題解決だけではなく、より積極的な取り組みもあります。ネットワークを活用したワークロードシフトや、データセンタの排熱をエネルギーとして活用することなども提案されています。
データセンタはデジタル社会の黒子的な存在でしたが、AI、クラウドの普及と社会的重要性の高まりにつれて、その役割や課題への認識も高まりました。社会になくてはならない存在として、これからもさらに注目が集まるものと思われます。今後のさらなる進化が期待されます。

■参考文献
(1)https://www.iea.org/news/data-centre-electricity-use-surged-in-2025-even-with-tightening-bottlenecks-driving-a-scramble-for-solutions
(2)https://www.iea.org/reports/key-questions-on-energy-and-ai
(3)https://www.softbank.jp/sbnews/entry/20250421_01
(4)https://www.ntt-me.co.jp/topics/pdf/release_20251022.pdf
(5)https://climatetech-japan.com/crusoe-ai-datacenter-renewables/
(6)https://datacenter.news/story/aws-s-11bn-indiana-data-centre-powers-anthropic-s-ai-growth
(7)https://interestingengineering.com/innovation/microsoft-ai-superfactory
(8)https://blogs.microsoft.com/blog/2025/09/18/inside-the-worlds-most-powerful-ai-datacenter/
(9)https://cloud.google.com/blog/products/networking/introducing-virgo-megascale-data-center-fabric
(10)https://www.viksnewsletter.com/p/a-beginners-guide-to-ai-interconnects
(11)https://www.delloro.com/beyond-the-gpu-arms-race-the-potential-role-of-oxc-in-building-next-gen-ai-infrastructure/
(12)https://introl.com/blog/cables-interconnects-dac-aoc-aec-800g-ai-data-center-2025
(13)https://medium.com/@Elongated_musk/how-to-build-an-ai-datacentre-part-2-networking-and-storage-f08f41aba146
(14)https://cloud.google.com/blog/products/networking/data-center-and-global-networks-built-for-ai-era

株式会社 情報通信総合研究所
ビジネス・法制度研究部
主任研究員 左高 大平
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