from NTT西日本
オープンイノベーションによる未来共創プログラム『Future-Build』で社会課題解決・未来社会創造に挑戦した6プロジェクトの成果報告
NTT西日本では、オープンイノベーション施設「QUINTBRIDGE」の取り組みとして、2022年8月より未来共創プログラム『Future-Build For Well-being society』を開始し、オープンイノベーションによる社会課題解決や未来社会の創造に取り組んできました。100件を超える応募の中から、採択された10社とともに2023年3月28日に実証実験の成果を発表しました。ここでは、その様子を紹介します。
はじめに
2022年3月に大阪・京橋に開業したオープンイノベーション施設「QUINTBRIDGE(クイントブリッジ)*」は、法人会員が670組織、個人会員が1万人で、毎日200〜300名が利用する施設です。10代から80代までの多種多様な会員層とともに「業界・地域課題の解決」と「未来社会の創造」に向けて、さまざまなパートナーと共創による新規事業開発に日々トライしています。
今回紹介する未来共創プログラム『Future-Build For Well-being society』は、NTT西日本とさまざまなプロダクト・アイデアを持つスタートアップが、新規事業検討を短期集中(約6カ月)で実施し、プロジェクトの継続可否を判断するというスピード感あふれる内容です。100件を超える国内外の応募の中から採択された10社とともに、健康、生活、環境、経済の4領域6テーマで「つながりでウェルビーイングを実感できる社会の実現」に向けて検討された成果を、2023年3月28日にQUINTBRIDGEにて報告しました。
* 「QUINTBRIDGE(クイントブリッジ)」は、NTT西日本が運営するオープンイノベーション施設です。西日本・大阪 京橋から企業・スタートアップ・自治体・大学等のパートナーとともに、「業界・地域課題の解決」と「未来社会の創造」をめざし、つながりでWell-beingを実感できる社会を実現していきます(https://www.quintbridge.jp/)。
本号p.60「挑戦する研究開発者たち」コーナーの「Spectee Pro for elgana」もQUINTBRIDGE発の案件です(https://www.nttbizsol.jp/newsrelease/202304201500000891.html?_ga=2.110555845.1398530464.1682054802-632719628.1681865600)。
未来共創プログラム『Future-Build』成果報告会概要
NTT西日本と採択パートナーが、約6カ月間でアイデア検討、フィールド検証、事業化検討を実施した内容の発表を行いました(写真1)。森林正彰NTT西日本代表取締役社長も含めた社内審査員および外部有識者による審査により、①ネクストステージ(事業性検証のフェーズ)、②さらなるコンセプトの深掘り・技術再検討が必要なプロジェクト、③検討終了のプロジェクトが発表されました。各プロジェクトの概要を表に示します。
審査結果
審査の結果は以下のとおりです。
① ネクストステージ(事業性検証のフェーズ)
・『ARを活用した「まちの賑わい」の創出』
・『地球環境に配慮した次世代型農業支援サービス』
② さらなるコンセプトの深掘り・技術再検討が必要なプロジェクト
・『安価な設備の故障予知診断システムの開発』
・『自然関連情報視える化サービス』
③ 検討終了のプロジェクト
・『医療・ヘルスデータ活用による心身のウェルビーイング』
・『リアルタイムな遠隔操作によるマルチタスクロボットオペレーションの実現』
それでは、ネクストステージに進む2テーマの発表内容を紹介します。
ARを活用した「まちの賑わい」の創出
『ARを活用した「まちの賑わい」の創出』のプロジェクトは採択パートナーである株式会社ビーブリッジとともに発表しました。
NTT西日本本社や京阪モールの壁面など、今まで活用されてこなかった場所にキャラクターやアート、広告のAR(Augmented Reality)を映し出すことで新たな人流を発生させる取り組みを発表しました。
実証実験の結果、物理的な限界があったイベントや広告において新たな提供エリアを広げ、「今後も活用を継続したい」といった声がまちづくり事業者からあがっていました。審査員からは、事業化した先の未来をどうみているのか、どういったところでビジネスとして成立させるのか、AR実用させるというところの「勝ち筋」への質問等が活発に行われました(写真2、3)。
地球環境に配慮した次世代型農業支援サービス
『地球環境に配慮した次世代型農業支援サービス』のプロジェクトは採択パートナーであるNTTコムウェア、株式会社エムスクエア・ラボと協力パートナーである株式会社ジャパンバイオファームとともに発表しました。
農業の化学肥料や農薬が与える環境への負荷の改善に向けて、自然にやさしい環境配慮型の農業を広めるための有機農業ついて発表されていました。
実際につくられた有機野菜は、収量良し、きれい(病害虫なし)、そして美味しく色艶も問題なしという結果になり、実際に出荷し完売することもできたそうです。また、日本のみならず海外にも展開をしたいという、熱の入ったプレゼンテーションをしていただきました。審査員からは、事業性検証という次のフェーズに進むための検討材料を真剣に伺う質問がなされました(写真4、5)。
今後の展開
ネクストステージに進むプロジェクト、再検討を実施するプロジェクトについては事業化に向けた活動を進めていきます。
本プログラム(1)〜(4)は、初年度の成果や課題を踏まえてバージョンアップして次年度も開催できるように検討していきます。今後の活動にぜひご期待ください。
本イベントに関する結果や外部審査員からのコメント・総評については、参考文献(5)よりご覧ください。
■参考文献
(1) https://www.quintbridge.jp/program/2022_future-build/
(2) https://www.ntt-west.co.jp/news/2211/221129a.html
(3) https://www.ntt-west.co.jp/news/2212/221215a.html
(4) https://www.ntt-west.co.jp/news/2302/230206a.html
(5) https://www.ntt-west.co.jp/news/2303/230331a.html
問い合わせ先
NTT西日本
イノベーション戦略室
E-mail innovationstrategy_pr-ml@west.ntt.co.jp