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特集1

NTT R&D FORUM 2023 ― IOWN ACCELERATION

IOWN ACCELERATION~想像と創造~

本記事は、2023年11月14~17日に開催された「NTT R&D FORUM 2023 ― IOWN ACCELERATION」における、大西佐知子NTT研究開発マーケティング本部長の基調講演を基に構成したもので、プロダクトアウトの視点でのR&Dと、マーケットインの視点でのR&D、2つの側面について紹介します。

大西 佐知子
NTT常務執行役員
研究開発マーケティング本部長

はじめに

NTT研究開発マーケティング本部は、2023年6月に新たに発足しました。従来からのプロダクトアウトの研究開発とマーケティングの融合による新たな価値創造をミッションとしています。本稿では、プロダクトアウトの視点でのR&Dと、マーケットインの視点でのR&D、2つの側面から紹介します。
電話という人と人をつなぐテクノロジに始まり、深化探索を経て、IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)が誕生しました。プロダクトアウトの研究開発による成果です。これに加えて、人を想い、社会を想い、地球を想い、どうすれば持続可能な、そしてわくわくするような未来が創造できるのかをイメージし、それを実現するための研究開発を進めていくことがマーケットインの視点だと考えています。
テクノロジは、社会に実装されて初めて息吹きます。IOWN構想の発表から4年、動き出したIOWNの息吹きを感じていただき、最後に、わくわくするような未来を想像いただけたら嬉しいです。

プロダクトアウトの視点でのR&D

■人と人をつなぐテクノロジからIOWN構想へ

1890年、今から133年前の最初の電話を図1に示します。ここから「つなぐ」テクノロジは始まりました。当時電話をかけて、相手と話ができるまでの時間はどれくらいだったでしょうか。最初の電話はダイヤルもなく、受話器をあげると交換手につながりました。「Aさんへつないでください」とお願いして待つこと6時間7分、お昼にかけて、夕方にAさんと話ができるという感じでした。ちなみに、倍の通話料金を支払う「至急」でも、2時間26分かかりました。
電話第一号ができてしばらくして、今から75年前に逓信省電気通信研究所が発足しました。光ファイバの研究も1966年に始まりました。人と人をつなぐ技術が、人と情報、人とモノ、リアルとバーチャルをつなぎ、伝えるものも音から映像、データ、そして技能や経験、空間をも伝えることができるようになります。そして、光の研究から50年を経てIOWN構想へとつながりました。光技術を伝送のみならず、データ処理部分にまで利用することだと考えたのがIOWN構想です。

■電気と光の違い

電気は伝送距離が長くなればなるほど必要な消費電力が極端に増えます(1)(図2)。また、データ処理速度を早くすればするほど、動作周波数が増えさらに消費電力が増えるという特徴があります。
一方、光では伝送距離が長くなっても、またデータ処理スピードを速めても、消費電力が増えないという特性があるのです。この特長から、伝送だけではなく、情報処理のレイヤーでも光を活用することで消費電力のさらなる低減が可能となります。
こうした光の特長を活かし、ネットワークから端末の処理まですべてに光の技術を導入するIOWNは、低消費電力はもちろん、大容量・高品質、そして低遅延を可能とします。
例えば、エンド・エンドを光にするAll Photonics Network(APN)は、従来のように電気と光に切り替えなくてよいので、遅延もなく速く、そのうえ電力効率も高いのが特長です。
移動で例えるなら、従来は乗り換えを何回かしてゴールにたどり着くため、どうしても遅れが生じていました。APNは、新幹線で乗り換えがなく直通で行くようなイメージです。
1970年の大阪万博では、人と人をつなぐ音の伝送、初めてのコードレスホンの展示でした。2025年の大阪・関西万博では、IOWN APNでNTTのパビリオン会場とデータセンタ(DC)をつなぎ、空間をリアルタイムで伝送します。AI(人工知能)によりNTTパビリオン会場を分析、ご来場された方が感じる躍動感やわくわく感に応じてパビリオンが動くような「生きているパビリオン」を表現する予定です。

■IOWN APN1.0始動

固定電話は、最初の電話から90年以上を経て、全世帯に普及していきました。自動車は世帯普及率80%以上までに30年、インターネットは15年、スマートフォンはたったの5年です。技術革新によって生まれたサービスの世帯普及率は加速しています(2)
IOWNも加速します。構想から4年、2023年3月にIOWN APN1.0をサービス開始しました。技術革新によりサービスの社会生活への浸透の加速と同時に、必要となる電力量の増加も加速しています。生成AIの普及も加わり、2018年と比べて、2030年には、データ量が16倍、消費電力は13倍になると想定されています(3)
こうした状況に伴い、DC需要はますます大きくなっており、DCの今後の需要見通しでは、すでに供給不足となることが想定されています(4)。オランダやシンガポール等、DCでの電力消費が増加し、かなりのウエイトをしめるようになったため、新たなDC建設を停止、制限する動きもあったほど、非常に厳しいDC周辺環境となっています(5)(8)
こうした状況を打破するのが、IOWN APNです。DCを分散設置し、DC間をAPNにより低遅延で接続することで、あたかも1つの大きなDCとして利用できます。
少ないスペースに中小規模のDCを分散設置する、または電力にゆとりがある場所や、地産地消のエネルギーが活用できる場所にDCを構築し、複数のDC間をAPNで接続することで、DC不足の解消と消費電力低減ができると考えています。
DC間の距離も遅延なく、DC間を接続可能な距離が従来は60kmが限界でしたが、APNで100kmまで可能となります。
すでに英国では、ロンドンと約100km離れたダゲナムのDC間をAPNで接続して実証実験を実施しています。図3左のように、ロンドンから60km圏内ですと、地価も高く、DC構築可能なスペースが不足していますが、100km圏内まで広げると、地価も下がりDC構築できる場所も見つかるようになると考えています。
こうしてつなぐテクノロジの深化、プロダクトアウトの研究成果により生まれたIOWNは、電力効率を100倍にし、伝送容量も125倍にし、技術革新によるデジタル情報社会を、省エネでサステナブルに支えます。

マーケットインの視点でのR&D

次に、マーケットインの視点でNTTのR&Dを紹介します。
伝えるものが音から、映像、データ、触感や空間まで広がり、それが私たちの生活、社会、そして地球にどのように機能するのか、さまざまな社会課題をR&Dがどのように解決し、わくわくするような未来創造へつなげていくのかについてご紹介します。私たちの生活そのもの、衣食住、健康、エンタテインメントやエネルギー、そして最後は人間だからこそのHumanityがどう変わっていくのか。この中から、3つの領域についてご紹介します。

■「食」フード

食の安定供給に関するリスクは高まるばかりです。すでに食生活への影響が出始めています。加工食品、調味料等、平均20%の価格上昇、我が家の食費も、1年前と比べて、1.5倍から2倍近い状況で、ひしひしと現実に感じています(9)(12)。しかし、日本の食料自給率は、38%、主要13カ国中第12位です(13)
また、日本の農業従事者数は、2000年に比べて70%近くも減少しています。平均年齢も上がる一方で68歳となっています(14)。これに合わせて、耕作放棄地は、1995年の1.7倍に増え、42万ヘクタール、東京都の2倍の面積もあります(15)。一方、農業人口の減少や、土地や天候等の逆境をイノベーションで改革し食料自給率を挙げてきた国もあります。
オランダは農業大国ですが、実は国土の2割が水面、日本の4割の農地面積しかありません。しかし、技術革新によって、大規模施設園芸を普及させ、農産品輸出額世界第2位までになりました。
英国も農業人口減少ながら、農業科学を発展させ、食料自給率70%超まで発展させています。
NTTグループでは、食の安定供給に向け、育種から農業生産、畜産、水産、そして流通等、食のバリューチェーンにおいて、NTTのR&D技術やソリューションによりイノベーションを起こそうとしています。その中から3つほど紹介します。
(1) 農業生産、施設園芸
NTTアグリテクノロジーでは、山梨に、サッカー場の1.5倍の大きさ、国内最大級のレタス温室の施設園芸を構築しました。従来の半分の人手で収穫量を10倍以上に増やすことに成功しています。このノウハウは国内のみならず海外からも問合せをいただいています。
図4右は、お客さまから相談を受け、設計構築を請け負わせていただいたファームの写真です。サッカー場の3倍のパプリカ農場を構築しました。従来の半分の人手で4倍の収穫量を実現できたとお客さまから伺っています。「大規模農業」と「省力化」の両立、そして、「収穫量拡大」と「環境負荷軽減」の両立ができるようになりました。
また、栽培未経験者の方でも始めていただけるように、高精細映像配信とロボティクスを使って、全自動ハウスを通じた遠隔営農支援も行っています。遠隔での営農支援ができるようになることで、1人の専門家の方が複数の生産者の農作業支援ができるようになりました。
(2) 農産物流通
農産物は、生産者から価格が決まらないまま、高く取引できそうな大市場に出荷されます。そのため、産地にもっとも近い市場ではなく、1日トラックに揺られて遠い大市場に出荷されることが多いようです。また、そのときの農産物の集まり具合等で余ってしまった農産物は、さらに他の市場へ転送したり、最近では、物流のトラックが確保できずに破棄することもあるようです。
そこで、市場に集まる農産物の需給情報などを分析・予測し、鮮度の高い農産物が必要な分だけ消費者に届き、フードロスやCO2削減で地球にやさしい農産物流通をIOWNで実現したいと考えています。
専門家と生産者を、オペレータと現場をつないで、また生産者と仮想市場をつないで、IOWNで、地球にやさしい、そして食べたい食材を新鮮にお届けできる、さらには日本の食料自給率が今よりももっと高く、安心して美味しいものが食べられるように、そんな近い未来を考えています。
(3) 水産
CO2の増加により、海洋の温暖化と海洋酸性化が起きています(16)。海洋温暖化によって、生息可能な海域が減り、例えば図5右上のグラフのように、サケの漁獲量は長期的に減少しています(17)。また海洋の酸性化により、魚の餌となる植物・動物プランクトンが減少していることも事実です。
ところが、世界的には、水産生産量が倍増しているのです。漁獲量が横ばいのため、この不足分を養殖で補っているからです。世界の水産量は倍増していますが、日本は、逆の動きで減少しています。このため1980年には水産生産量で世界1位でしたが、2021年では11位へ転落しています(18)(19)。こうした水産業の衰退、食料問題、環境問題の解決をめざし、リージョナルフィッシュ様とNTTは合弁会社を設立、NTTグリーン&フードが2023年7月に誕生しました。
取り組みの1つが品質改良技術です。通常の真鯛に比べて、食べられる部位「可食部」を最大1.6倍にしたり、魚の餌である藻類の光合成を活性化し、成長速度を速めるとともに、通常よりも多くのCO2を藻類の体内に固定するなど「サスティナブルデザインフード」の創出に取り組んでいます。
もう1つが、サステナブル陸上養殖システムです。大気中のCO2を海洋が吸収し、それを藻類が通常よりも多く吸収、その藻類を魚が食べ、CO2を魚の骨等に吸着する、サステナブルな仕組みです。
そして2023年10月に静岡県磐田市に、生産規模としては国内最大級の「陸上養殖プラント」を建設中です。希少な国産種苗を用いた完全国内生産のシロアシエビ(通称:バナメイエビ)を生産予定です。

■健康、ヘルスケア、メディカル

バナナとクッキー、食べた後に血糖値が上がるのはどちらでしょうか。ちなみに、その食品を食べたときに血糖値がどのくらい上がるかを、ブドウ糖を基準100とした場合の相対的な数値で表した「GI(グリセミック・インデックス)」の値は、バナナが58(20)、クッキーが77(21)とクッキーのほうが高い数値となっていますので正解はクッキーと思われる方も多いと思います。実は、正解は「個人個人によって異なる」でした。実際に、糖尿病予備軍の方にバナナとクッキーを食べていただき、食後の血糖値を図ったところ、445人は、バナナを食べたことで血糖値は上がりましたが、クッキーを食べても血糖値に変化はありませんでした。また他の644人の方は、全く逆の傾向となったのです(22)。血糖値の変化は個々人によって異なることが分かっています。一方、世界の糖尿病予備群の人は20年間で3.6倍にも増えているといわれています(23)。また、血糖値の乱高下は、糖尿病のみならず心血管疾患のリスクを高めます。慢性的な高血糖は全身の血管を傷つけ、さまざまな障害をもたらすのです。食後の血糖値が安定していると、心疾患やがんのリスクも下がるといわれており、つまり血糖値は、健康状態そのものに大きな影響を及ぼします(24)
そこで、どの食材で血糖値が上がるのか、血糖値測定が常にできるようにするための技術、「血糖値センサ」を紹介します。通常の血糖値測定は、採血するか、または針を体に刺して測定する手法となるため、現状では、常に血糖値を図ることは難しい状況です。
NTTの血糖値センサは、皮膚にデバイスを密着させるのみで血糖値を測定できます。2022年のR&Dフォーラムでは図6中央の写真のとおり、かなり大きかったのですが、今回は時計サイズまで小さくなりました。具体的には、腕時計程度の大きさのセンサから電波を皮膚に照射します。電波が反射してセンサに戻ってくる信号を分析すると、血管から染み出た皮膚内のグルコース濃度の変化を測定できるという仕組みで、センサをつけていれば、血糖値がリアルタイムに分かるようになります。
糖尿病予備群でも、リアルタイムに簡単に血糖値を測定できるようになれば、血糖値が上がらないかどうかをみながら、好きなものを食べられるようになります。
実際に、血糖値を図りながら、適切な食事を続けた際、糖尿病予備群レベルの血糖値からたった1カ月で正常値に戻ったという事例も報告されています(25)。血糖値は自分でコントロールできるのです。血糖値センサによって、我慢せずに、好きなものの中から、自分にとって血糖値に影響を与えないものを選んで楽しく食事ができます。
コーヒーを飲むと、血管を収縮させる?血管を若返らせる?コーヒーに含まれる抗酸化物質には、血管を若返らせ、心臓を健康に保つ働きがあるといわれています。一方、カフェインには血管を収縮させる可能性があるともいわれています。実はある研究で、カフェインを素早く分解できるDNAを持っている人は、コーヒーを飲むことで心筋梗塞のリスクが減少するのに対し、カフェインの分解速度の遅いDNAを持つ人は、コーヒーを飲むことで心臓に負担がかかってしまう可能性があることが分かったそうです(26)
カフェインと同じように、薬に含まれる成分の代謝能力には、人によって違いがあります。血栓を溶かす抗凝固薬「ワルファリン」。日本人の中でも、DNAのタイプの違いによって、1日当りの必要な投与量には、なんと20倍以上もの個人差、つまり、1錠でよい人と、20錠も飲まなければならない人がいるということが分かっています(27)。どの薬をどの程度摂取すべきか遺伝子解析や電子カルテデータを解析することで、個人個人の特性に基づいたテーラーメイド投薬や予防医薬が可能になります。NTTライフサイエンスでは、NTTのビッグデータ解析、AI技術を使った遺伝子検査サービスで、アルコール代謝能力等の体質や疾患リスクを解析しレポートしています。
また、電子カルテ等のデータをNTT版LLM(Large Language Model)「tsuzumi」により自動的に構造化することで個人差を分析しようとしています。個人の体質や特性、環境、病歴等、NTT版LLM tsuzumi等のAIでの解析、心身に負担のないセンシングを可能とするさまざまなバイタル情報の取得が可能なセンサデバイスの研究技術によって、食事や薬、または適度な運動量等さまざまなパーソナライズを実現できると考えています。そして、それは、最適化につながり、あらゆるロスをなくし、社会、地球にやさしいサステナブルなヘルスケアにつながると思っています。

■Humanity・わくわく・五感

(1) 聞く
最初は、五感の中でも「聞く」です。NTTが初めて人と人をつなぐ電話で伝えたのも音で、それ以来90年以上前から研究している分野です。ある音波に180度反転させた音、つまり逆位相を重ねるとお互いに干渉し合い音を打ち消し合います。この原理を活用した、音漏れせずに、とても良い音質を自分の耳元だけに聞こえるようにするパーソナライズドサウンドゾーン技術は、2020年に初めてNTT R&Dフォーラムで展示して以降、開発を進め、2022年にイヤホンとして商品化しました。「耳スピ」として、ラインナップも豊富に用意しています。耳の穴をふさがないオープンイヤーですので、ランニングしながら、自転車に乗りながら、または建設現場等でも利用しやすいと思います。今回のR&Dフォーラムの事務局も、この耳スピのトランシーバでイベント運営をしています。
(2) 触感
聞く、見るに加えて、触感を伝えることが、よりリアルに近くにいるようなつながりを実現できます。図7右の道具は、聴診器を当てて聞こえる心臓の鼓動が電波を通じてこのボールを振動させるものです。2023年7月の世界子ども未来会議では、国連本部のあるニューヨークと東京をつなぎました。図中央のプロジェクタに映っている東京の男の子が心臓に聴診器を当てると、男の子の心臓の鼓動がインターネット回線を通じて、ニューヨークにあるボールにシンクロさせて振動させます。
これを触った女の子が、東京の男の子の鼓動を感じて思わず「すぐ近くにいるみたい!」と叫んでいたといいます。
見る、聞くという映像でのコミュニケーションのように、何かができるというような「道具的」な価値を伝え合うだけではなく、触感を伝えることは、その人が存在していること自体を感じ合う、内在的価値Intrinsic Valueを感じ合うということにつながるのではないかと思っています。
コロナ後、リアルに回帰している傾向もありますが、触感の伝送は、まさに求められているようなリアルに近い感覚でのつながりのためのテクノロジになると思っています。
続きまして、あたかも遠い空間に自分がワープしたかのような体感ができる技術です。リアル世界を自転車で走行した際の振動音・路面の凹凸等もデータ化しているため、メタバース空間で走行する際も、路面の状況や速度に応じて自転車が振動するような感覚を再現します。
(3) 人間拡張
聞く、見る、触るを超えて、体験や技能を自分の力を超えて体感する人間拡張の技術もあります。人と人をつなぐテクノロジの深化探索で、伝えられるものが広がりました。あらゆるものがデジタル化され、情報、データ化され、IOWNにより低消費で効率良くAIで分析できるようになることで、可視化、最適化、省エネ化とともにパーソナライズ化の価値を創造します。そして、その価値は、衣食住から、ヘルスケア、エンタテインメント等の社会生活の中で、Humanity、人間の五感に回帰しながら、1人ひとりのWell-beingと、地球にやさしいSocial Well-beingな未来を創造することにつながるのではないかと考えています。
AIにより、さまざまな情報が整理され、選択肢が提示されますが、そこから何を感じ、どのような未来にしていきたいのかは、やはり人間しかできない五感を使ったイマジネーション力、想像力が必要だと思っています。人を想い、社会を想い、地球を想う感性でイマジネーション、想像してみえてくるサステナブルなわくわくするような未来、その未来をクリエイト、創造するためのR&Dでありたいと思っています。

おわりに

IOWN構想の発表から4年、動き出したIOWNの息吹きを感じていただき、わくわくするような未来をイメージいただけましたでしょうか。新たなテクノロジによって、どのような未来をお届けできるのか、社会はどう変わっていくのか、イノベーションによって私たちの生活はどう変わるのか等、イメージいただいた活用シーンが浮かびましたら、ぜひご一緒に共創させていただければと思っています。

■参考文献
(1) NEDO:“光エレクトロニクスシンポジウム資料,”2015. 6.
(2) 内閣府:“月例経済報告閣僚会議資料,”2018. 12.
(3) 国立研究開発法人科学技術振興機構低炭素社会戦略センター:“情報化社会の進展がエネルギー消費に与える影響,”Vol.2, Vol.4, 2022. 2.
(4) 富士キメラ総研:“データセンタビジネス市場調査総覧 2022年版<市場編>,”2022.
(5) https://cafe-dc.com/design/digital-realty-acquires-9-acres-for-20mw-data-center-in-amsterdam-the-netherlands/
(6) https://www.icr.co.jp/newsletter/wtr398-20220613-sadaka.html
(7) https://cafe-dc.com/politics/new-conditions-for-data-centres-in-singapore-to-kick-in-from-q2-2022/
(8) https://biz.optage.co.jp/article/20220817/p2/
(9) 帝国データバンク:“「食品主要105社」価格改定動向調査(2023年1月),”2023.
(10) 新電力ネット:“電気・ガス販売単価(2022年10月),”2022.
(11) JILS:“売上高物流コスト比率(2021年度),” 2021.
(12) GD Freak:“梱包用材の価格推移(2022年12月),”2022.
(13) https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2302/spe1_02.html
(14) 農林水産省:“農業労働力に関する統計(2022年),”2022.
(15) 農林水産省:“2020年農林業センサス,”2020.
(16) https://www.ocean-climate.org/wp-content/uploads/2016/10/161011_FactSheets_EN.pdf
(17) 水産庁:“不漁問題に関する検討会とりまとめ,”2021.
(18) 農林水産省:“水産白書,”2022.
(19) 国連食糧農業機関(FAO):“世界の漁業・養殖生産量,”2021.
(20) https://www.gi-gl.com/kudamono-50/
(21) https://www.gi-gl.com/keisyoku-118/
(22) D. Zeevi et al.:“Personalized Nutrition by Prediction of Glycemic Responses,”Cell, Vol.163, No.5, pp.1079-1094, 2015.
(23) 世界糖尿病連合:“IDF糖尿病アトラス,” 第10版,2021.
(24) https://www.amed.go.jp/news/seika/kenkyu/20210115-02.html
(25) https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3239/
(26) NHKスペシャル:“人体,” 2021. 5.
(27) https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_969.html