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グループ企業探訪

第217回 NTTコム マーケティング株式会社

NTT Comを中堅企業層向け営業で支えるグループ企業

NTTコム マーケティングは、NTT コミュニケーションズグループの営業系バリューチェーン会社として、中堅企業を対象にさまざまな営業活動を展開している。時代とお客さまのニーズに合わせたソリューション提供やOne NTTに向けての取り組み、今後の戦略について風見健史社長に話を伺った。

NTTコム マーケティング 風見健史社長

NTT Comグループとして中堅企業層を中心とした営業を行う会社

設立の背景と目的、事業概要について教えてください。

NTTコム マーケティングは、NTTコミュニケーションズにおける中堅企業向けの営業、フリーダイヤルやナビダイヤルといった音声系サービスの提案営業支援・バックヤード処理支援、NTT東日本・西日本や多店舗系代理店等の販売支援の各業務を、より機動的、効率的に行うための会社として2012年に設立されました。33拠点にいる約1400名の営業のエキスパートが、日本全国のお客さまをカバーしています。
当社の事業は、その業務形態ごとに3つの営業部により対応しています。
1番目は、ビジネスカスタマ営業部です。VA(Value Advisor)と呼ばれる営業担当が中堅企業(メインターゲット顧客層は年商50億円から100億円規模)を対象に直接営業を行っています。VAとともにお客さま向けのソリューションを検討するプレセールスエンジニア機能と、お客さまからの申し込み等の各種オーダーを処理するバックヤード機能もあり、チーム一丸となってお客さまの対応を行っています。
2番目はボイス営業部です。NTTコミュニケーションズ等の各営業フロント部門と協力し、フリーダイヤルやナビダイヤル、IP Voiceなど、音声系サービスの販売支援を行っています。音声系サービスに関するお客さまへのコンサルやソリューションから各種オーダー処理まで一括して対応しています。ボイス営業部は、音声系サービスの専門スキルを持った部隊として、NTTコミュニケーションズの法人営業、関係部門、各代理店から高い評価をいただいています。
3番目は代理店営業部です。もともとはドコモショップ、量販店などのNTTコミュニケーションズの販売代理店に対しOCNやOCNモバイルONEなどのコンシューマー向けサービスの販売支援が主軸でしたが、昨年度からは、NTT東日本・西日本や 地場SIerといったパートナーを通じた法人のお客さま向けサービスの販売支援にシフトしています。

中堅企業層へのフォーカス

事業環境の変化が激しそうですが、いかがでしょうか。

今日クラウドサービスやIoT(Internet of Things)、ビッグデータ、AI(人工知能)などの新しいテクノロジが次々と登場しています。一方、中堅企業のお客さまの経営課題も、グローバル化、人材不足や競争環境の変化によって、より複雑になっています。デジタル経済が発展する中での企業の成長は、有効なICTの活用にかかっているといっても過言ではありません。当社は、お客さまの経営課題を事業の成長へと結びつけるために、既存のサービスのみならず、これらを新しいICTのトレンドも活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)推進を意識して営業活動を行っています。
ビジネスカスタマ営業部は、発足時に音声サービスの単品売りから活動を開始していますが、お客さま層のシフトに伴い、取り扱うサービス、営業スタイルも変化しているところです。
お客さま層に関しては、NTTコミュニケーションズがより大規模なお客さまへの対応にシフトしていくことに合わせ、当社も、中小企業から年商50億円から100億円規模の中堅法人企業のお客さまにターゲットをシフトしています。お客さまの規模が大きくなるに従い、そのニーズも多岐にわたるようになり、提供サービスもNTTコミュニケーションズグループのサービスを幅広く扱うようになっています。具体的には全国型のMPLS(Multi-Protocol Label Switching)ネットワークや、クラウドサービス、コンタクトセンター向けの音声系ソリューションなどを、お客さまの経営課題に合わせて提案していくスタイルになってきています。
ボイス営業部が中心サービスとして位置付けているフリーダイヤル(0120)やナビダイヤル(0570)は、さまざまな便利な付加機能を持っています。ボイス営業部では、単なる機能の説明ではなく、どのような使い方がお客さまにとって最適解かを示し、導入から運用までのコンサルティングを行っています。また、昨今各企業のコンタクトセンターは、電話以外にSNS、チャット、Webといったさまざまな受付形態の「オムニチャネル化」によるお客さま接点拡大のニーズが高まっています。そのため、音声系サービス以外にも、自然対話ツールである「COTOHA®」によるチャットボットやSMSによるWebへの誘導などの新しいコンタクトセンターソリューションの提案も行っています。また、コンタクトセンター以外にも、多店舗系企業やリモートオフィス向けの音声系コミュニケーションソリューションの提供なども積極的に行っているところです。
代理店営業部では、法人のお客さまをターゲットにシフトしていくことに伴い、扱うサービスも法人のお客さま向けサービスにシフトしています。そのため、代理店営業の営業力強化を図っているところです。
前述のとおり、NTT東日本・西日本は当社の重要なパートナーです。NTT東日本・西日本は、地方自治体や地方の金融機関、大学、総合病院などの優良顧客を抱えています。具体的には、住民やお客さまからのお問合せの効率化、サービス向上のためのナビダイヤルの利用、グローバル化が進む大学・研究機関のお客さま向けの国際回線の提供等のビジネスチャンスが想定されます。NTTコミュニケーションズのサービスの代理店として、One NTTの中で当社が貢献できる余地はたくさんあると考えています。

今後の展望について教えてください。

当社はNTTコミュニケーションズグループの中堅法人市場をターゲットとした販売会社です。中堅法人市場はまだまだ開拓の余地は大きいと考えており、同時に当社の仕事のやり方、工夫にも大きな伸びしろがあると考えています。
現在、自社の営業力を高めるためのさまざまな活動をしています。これまでの単品サービス販売型から複合提案型へと営業アプローチを転換するさまざまな営業研修を推進しているとともに、2年ほど前にはNTTコミュニケーションズと同じCRMシステムを導入し、営業見込み案件(パイプライン)管理や受注管理といった営業管理業務の効率化を行っています。また、離れた地点でのミーティングにもさまざまな会議ツールを積極的に利用しており、総務関連の問合せではCOTOHA® Chat&FAQというチャットボットなどのシステムも活用しています。このように自らのDXを推進し効率化を進め、お客さまにもDXの実例として示し、「サービス」として売っていきたいと考えています。
また、NTTコミュニケーションズグループはもちろんのこと、NTT東日本・西日本をはじめとするNTTグループ会社とのwin-winな連携により中堅法人層との顧客接点を広げることも当社のこれから取り組むべき分野だと考えています。
営業力強化のため、中堅企業向けに新たなサービスを組み合わせて提供する「新規事業開発部門」も今年度新設しました。この機能は、お客さまに近いところにいる当社自身が、マーケット分析からサービスの組み合わせやパッケージ化までを一貫して取り組むことで、より中堅企業のお客さまのニーズに合致したサービスを充実させていくものです。現在は、NTTコミュニケーションズグループや、NTT東日本・西日本、NTTテクノクロス、NTTアドバンステクノロジなどのNTTグループのサービスをベースにビジネス検討を行っています。将来的には、先進的なNTTグループのサービスを組み合わせて、日本の中堅企業向けのDXの推進に貢献し、One NTTを体現できるといいな、と考えています。

担当者に聞く

ビジネスのブルーオーシャンをねらう少数精鋭の新組織

ビジネスカスタマ営業部
新規事業開発部門
部門長 鈴木 郁太郎さん
担当部長 小林 博章さん

(左から)鈴木郁太郎さん、小林博章さん

業務内容について教えてください。

鈴木:新規事業開発部門は2019年10月1日にできた新しい組織です。当社はNTTコミュニケーションズのサービスを中心に、これまで中堅法人市場をターゲットに実績を積み上げてきましたが、お客さまのニーズが多様化するとともに、DXが加速してくる中で、これに対応していくための商材が不足してくることが予想されます。こうした環境の変化の中で今後の展望を考え、お客さまに寄り添った商品を、自分たちから発案してつくっていこうということで、新規事業開発部門が新たに設立され、2つのアプローチで動き出しました。1番目のアプローチは、既存のNTTコミュニケーションズの商品、NTT PCコミュニケーションズ、NTTビズリンクなどの商品、もう少し広げて、例えばNTTテクノクロス、NTTアドバンステクノロジなどのNTTグループ会社の商品をお客さまのニーズに合わせて、単品あるいは組み合わせた新たな商品として商品ラインアップに入れて、販売していきます。
もう1つは、これまで社内でプロジェクトとして対応してきたものの継続として、NTT PCコミュニケーションズがつくったSD-WANの商品である「CloudWAN」や、NTTアドバンステクノロジのセキュリティサービスをインテグレーションしたソリューションとして販売していきます。今年度中の目標はさらに2つくらいソリューションをつくって、営業が売りやすい商品化を行い、収益の底上げをしていく予定です。
中期的には3年を目安に5GやAI、IoTなど新しいテクノロジにも対応していかなければならないと思います。さらにお客さまが将来的に何を求めているのか、研修やセミナーなどを使って情報収集しながら、お客さまのご要望にマッチした商品を開発していこうと考えています。短期的な話と中期的な話をチームごとに分けると、タイムラグによる商品系列の分断が発生するので、チーム(2人1組)ごとに短期的なものと中期的なもの両方を並行して検討するようにしております。

ご苦労されている点を伺えますか。

小林:新しいことを始めようとしても、どこから手を付けて良いのか分からない、次に何をすれば良いのか分からない、といったことがよくあります。これは当社に限った話ではなく、ほかの会社でも同様であると伺ったことがあります。幸いにも当部門には新しいことを始めた経験のある社員が何人かいるので、これらの社員を中心に、新しいことを始めるための雰囲気やノウハウを醸成して、少しずつ経験を重ねていくことで人材を育て自信をつけていくようにしたいと思います。
鈴木:私と小林も新しいことを始めてきた経験者なのでこのあたりのところはすぐに理解できるのですが、当部門の社員のほとんどは既存商品ベースの営業エキスパートなので、新しいことを始めるにあたっての考え方や雰囲気を醸成するには若干時間がかかると思います。さらに、手掛けたものがすべて成功するわけではなく、リスクも伴います。ただし、これに二の足を踏んでいては何もできませんので、トライ&エラーの繰り返しで経験を積んでいくことになります。とにかく一歩踏み出てトライ&エラーを繰り返す雰囲気も大切にしていきたいと思います。その中で成功事例が1つでも多く出て、事業へ貢献していくことがこの組織のミッションであり、また、こうした経験を通して個々の社員が成長し、将来的に中核の社員として育成していくこともミッションと考えています。

今後の展望について教えてください。

小林:現在の商品ラインアップは音声系やネットワーク系など従来からのレガシー系サービスが中心です。今後、音声系をはじめとしたレガシー系サービスも全部なくなるわけではないですが、その比率が下がっていく傾向にある中で、それを新しい商品、ソリューションでカバーしていかなければなりません。昨今、ICTを取り巻く環境の変化が激しくなっている中で、お客さまのご要望も変化しています。短期的なものから中期的、場合によっては長期的なものまで、切れ目なくお客さまのニーズにこたえていくために、プロアクティブにお客さまのニーズを把握して、それを商品、ソリューションとして提供していくことが重要となります。それだけに新規事業開発への期待が大きく、それにしっかりとこたえていくつもりです。
鈴木:新規事業開発といっても、すべて私たちだけでできるわけではなく、また、それをなし得る人材も現在育成中です。お客さまに頼りにされる人材になれるよう、私たち自身が成長していくとともに、NTTコミュニケーションズグループ商材を軸にしながら、NTTグループの各社と太いきずなで協力し、One NTTとしてお客さまの期待にこたえられるよう、努力していきます。

NTTコム マーケティング ア・ラ・カルト

里山保全活動

企業として自然環境保護に貢献することを目的として、毎年春夏秋の計3回、千葉県白井市の「平塚の里」において、NTTコムソリューションズと合同で里山保全活動を実施しています。主な活動は森林の整備、田植え、自然観察などです。今年度は家族を含め延べ200名ほどが活動に参加しており、参加人数は年々増えています(写真)。

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みんなで育てる「あおいちゃん」

総務・人事など共通業務等に関する社内問い合わせをタイムリーに解決するため、COTOHA® Chat & FAQというチャットボットを全社で導入。アバターを「あおいちゃん」と名付け、利用者である社員の声を聞きながら、試行錯誤を繰り返す事数カ月。完成度を高めた結果、運用側の業務効率化も飛躍的にアップし、まさに社員全員で「あおいちゃん」を育てています(図)。