2025年10月号
特集2
PSTNマイグレーションの15年の営み──固定電話サービスの今後の安定的提供に向けたIP網への移行
NTT東日本とNTT西日本は、2010年に「PSTNのマイグレーションについて~概括的展望~」を公表以来、約15年にわたり, 固定電話網からIP網への移行方法の検討、 切替を進めてきた。
本特集では、制度面の検討経緯、安全な固定電話網のIP網への移行に向けた技術面、運用面の取り組み、PSTNマイグレーション完了までの営みを紹介する。
PSTNマイグレーションの営み
PSTN(Public Switched Telephone Network:公衆交換電話網)マイグレーションの概要として、そこに至った固定電話網の状況、およびNTT東日本・西日本を経由したSTM(Synchronous Transfer Mode)での電話接続をIP-IPでの直接接続にするためのネットワーク実現に向けた技術的課題、ネットワーク移行方法を中心にマイグレーション完了までの営みを紹介する。
IP-IP接続のための新規機能開発・検証──安定切替に向けた品質向上
PSTNマイグレーション実現にあたって構築したIP-IPでの直接接続を可能とするネットワークを実現するためのENUM(E.164 NUmber Mapping)、NNI-SBC(Network-Network-Interface Session Border Controller)に関して、方式・機能検討、標準化対応から開発検証および品質向上施策までの取り組みを紹介する。
PSTNからのネットワーク移行・固定電話発信切替──安全な切替STEPと事前準備
PSTNからIP網へのネットワーク移行においては、NTT東日本・西日本の固定電話・ひかり電話、および20社以上の全相互接続事業者の切替工事を約3年半かけて実施してきました。切替工事の規模が大きく、また切替パターンも多岐にわたる中、安全かつ効率的に工事を進めるために行った各種取り組み(切替方式や試験方法の検討、工事統制、および事業者間連携等)について紹介する。
電話網トラフィック制御運用方法の変革──保守・運用のシンプル化
PSTNからIP網への移行に伴い、IP網中心のシンプルなトラフィックの監視・制御の実現に向けて、トラフィック運用を従来の細かな交換機区間のトラフィック・設備管理からエンド・ツー・エンドの管理への移行、それを実現するための新たなシステム導入等、安定したネットワーク運用のための取り組みについて紹介する。