from NTT東日本
ローコード×オフショア活用による“強みの掛け算”により、安価でスピーディなソフトウェア開発をめざす
NTT東日本は、業務システム開発やデータ分析の内製力強化に向け、関連会社であるベトナムのOCG Technology JSC(OCG)の体制確立に取り組んできました。OCGは、ローコード開発プラットフォームのOutSystemsを用いたソフトウェア開発を強みとし、安価でスピーディな開発を行っています。日本語能力も兼ね備えており、国内外問わず、お客さまの課題に柔軟に対応できる企業です。ここでは、NTT東日本・NTTイーアジアとOCGのこれまでの取り組みについて紹介します。
ベトナムのソフトウェア開発企業OCG
OCGは、ベトナムの国営通信キャリアVNPT社と、NTT東日本の子会社であるNTTイーアジアとの合弁会社として、2016年にベトナム・ハノイにて設立されました。現在は、オフショア拠点として、ソフトウェア開発に加え、データ分析や管理指標の見える化などのサービスを提供しています。案件の急拡大に伴い、積極的にエンジニア採用を行っており、現在100人近い従業員が在籍しています(写真1)。また、日本語でシステム要件のヒアリングが可能な優秀なベトナム人スタッフが多数在籍していることから、日本国内のお客さまとスムーズな開発が実施できることも強みの1つです。
ソフトウェア開発では、ローコード開発プラットフォームのマーケットリーダーであるOutSystemsをはじめとして、Microsoft Power Platform等による開発実績を積み重ねており、社外のお客さまへの提供実績もあります。
ベトナムでのオフショア開発には、セキュリティ上の懸念を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、OCGにはNTT東日本と同水準の情報セキュリティ運用体制を確立しました。認証装置などのハード面の充実だけでなく、従業員に対する教育も徹底し、日々情報セキュリティリスクの低減に努めています。2023年5月には、ISMS認証(ISO/IEC27001)を取得しましたので、安心して開発やITアウトソーシング(ITO)をしていただける環境にあります。
開発実績と人材育成
OCGは、緊急情報連絡システム、調達RFP(Request For Proposal)管理システム、設備工事進捗管理システムなどをリリースしてきました。業務主管からは、これまでのシステム開発よりも、安価かつ短期間で実現でき、驚くほど品質も高いとの声をいただいています。データ集計・分析業務については、勤務管理データ等を用いた集計分析業務などを行っています。業務主管は、維持管理稼働に悩んでいた業務をOCGが肩代わりしてくれることで、データドリブン経営を推進するための新たな課題に取り組めるようになったと喜びの声をあげています。
またOCGは、貴重な育成の場にもなっています。昨年、ベトナムに滞在し、OCGの社員と実開発案件に一緒に取り組んだNTT東日本の若手社員は、ソフトウェア開発の技術を各段に進歩させただけでなく、異文化理解力や語学力を鍛えることができました。真面目で自己成長に意欲的なベトナム人社員から、大いに刺激を受けることができるため、デジタル&グローバル人材の育成の場としても、是非OCGをご活用いただきたいと考えています(写真2)。
ローコード開発プラットフォームOutSystemsを用いたソフトウェア開発
NTT東日本は、ソフトウェア開発手段として OutSystemsに着目してきました。OCGの優秀なソフトウェア技術者がOutSystemsを使った開発を実施することにより、開発スピードの向上とコスト削減を実現しています。
ローコード開発プラットフォームでは、あらかじめ用意された部品を組み合わせる手法で、機能設計の段階からGUI(Graphical User Interface)による視覚的な操作で開発を進めることができます。コーディング作業が減り、テスト工程を削減できるため、開発期間を大幅に削減しつつ品質も高くなるというメリットが証明されています。
NTT東日本の設備系システム更改案件では、設備業務特有の複雑な管理項目や、複数の他システムとのAPI連携という要件に対しても、OutSystemsを用いることによって柔軟かつスピーディに開発することができました。
開発過程においては、OCGのエンジニアが来日し、システム利用者と顔を合わせた集中議論を行いました。エンジニアが実業務を深く理解することで、真の目的に沿ってユーザインタフェースを改善するなど、提案型のシステム構築を行いました(図)。
OCGは、日本だけでなく、ベトナムのお客さまに対してもシステム開発および技術者育成を行っています。例えば、顧客情報や折衝記録などをファイルベースで管理しており、情報が個人に偏ってしまっているというお客さまの課題に対しては、OutSystemsを用いて営業情報のデータベース化を行い、簡易なプロトタイプを作成したうえで、機能追加や改善を行う手法を提案しました。将来的には、お客さまが自身で追加開発を実施できるよう、OutSystemsの技術者の育成も併せて行っており、日々変化する課題に対し、一緒に解決できる開発手法を提供しています。
お客さまと価値を共創する企業をめざして
NTT東日本は、ソーシャルイノベーション企業としての新たな価値提供に取り組んでいます。この推進のためには、お客さまの要望を聞き、スムーズかつ安価にICTで要望を実現する内製力が不可欠です。また、お客さま自身が開発力を身に付けることを手助けすることも、NTT東日本の果たすべき役割だと考えています。今後NTT東日本とOCGは、地域のお客さまのために、カスタマサクセス型の伴走開発を行い、開発力育成の場を提供し、お客さまと価値を共創する企業となることをめざしていきます。
問い合わせ先
NTT東日本
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