2FEBRUARY 2021 vol.33 NTT技術ジャーナル 2021年2月号 発行日 2021年2月1日(Web) ISSN 2758-7266 / (冊子) ISSN 0915-2318 冊子PDFダウンロード
トップインタビュー Yes we can!!世界はもっと良くできる 心の経営で未来を切り拓こう!! 社会課題を解決するため、ICTを活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が重要視されています。こうした中、課題解決に対するNTTグループの対応能力や取り組みはイノベーション力において9年連続でグローバルなTopイノベーターに選出されるなど、国内外で高い評価を得ています。新型コロナウイルスのパンデミックにより、さらに大きく変化した世界においてNTTグループはどのような姿勢で社会課題解決に臨むのか、澁谷直樹NTT代表取締役副社長に現在の取り組みとトップの心構えを伺いました。 詳しく見る 特集 アフターコロナ社会におけるNTTグループの取り組み 本稿では、NTTグループのアフターコロナ社会における取り組みについて紹介します。本記事は、2020年10月29〜30日に開催された「つくばフォーラム2020 ONLINE」での、 澤田純NTT代表取締役社長の講演を基に構成したものです。 詳しく見る 特集 スマートな地域社会の実現に向けて~ソーシャルICTパイオニアを目指して~ 本稿では、「スマートな地域社会」を実現するため、NTT西日本グループがソーシャルICTパイオニアとして、地域社会の課題解決や人と社会のつながり強化をめざし取り組んでいる事例を紹介します。本記事は2020年10月29〜30日に開催された「つくばフォーラム2020 ONLINE」での上原一郎NTT西日本代表取締役副社長の講演を基に構成したものです。 詳しく見る 特集 SmartInfraプラットフォームの取り組みについて SmartInfraプラットフォームはデジタルトランスフォーメーション(DX)によりインフラ設備に関する業務を効率化することを目的に進めているプロジェクトです。インフラ設備の中で地中に埋設されている設備を対象に高精度な位置情報(絶対位置)を付与したデジタルツインの地中版を整備し、インフラ事業者間で情報共有を図ることで、今まで人が実施していた業務をデジタル化して類似業務を一元化するなど、マンパワーもシェアリングできるモデルの実現をめざすとともに、地上のデジタルツインを加えて防災・減災、スマートシティなどの分野へ展開を図りたいと考えています。 詳しく見る 特集 次世代光線路技術の研究開発の取り組み NTTアクセスサービスシステム研究所では通信ネットワークの持続的発展に必要となる安心・安全な光線路技術を継続的に確立すべく、研究開発を推進しています。近年では光アクセス網の経済化・高度化に資する光線路技術の研究開発に加え、2019年NTTが提唱したIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想の3本柱の1つである オールフォトニクス・ネットワーク(APN)の実現を見据え、いつでも・どこでもつながる革新的な光線路設備の研究開発に着手しました。本稿ではこれらの取り組みについて概説します。 詳しく見る 特集 APNを支えるPhotonic Gatewayと光アクセス技術 NTTアクセスサービスシステム研究所(AS研)の光アクセス基盤プロジェクトでは、IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想の実現に向けて、Photonic Gatewayによる低遅延な光アクセスネットワークの研究開発を進めています。本稿では、大容量、低遅延を実現するネットワークに求められる波長管理や集線など光の特性を活かしたシステム技術について紹介します。 詳しく見る 挑戦する研究者たち 見返りを期待せず、頼まれごとは断らない。損得勘定なしで臨めば、未来が切り拓かれる インターネットの普及に伴い、映像は日常生活においてあらゆるところに存在し、利用されています。私たちがTV放送やインターネットにより映像が高品質で送受信され利用できる、ストレスフリーな状況は映像符号化技術が支えています。また、IoTセンサの普及・高度化により2040年ごろにはデータ量が40YBに増加すると予想され、こうした膨大なデータに対応する技術は国内外から大きな注目を集めています。この膨大なデータに対応する符号化技術「万象オーガナイズ技術」と、それを研究していく中での研究者としてのあり方について、高村誠之NTTメディアインテリジェンス研究所 上席特別研究員にお話を伺いました。 詳しく見る 明日のトップランナー 未来予測にとどまらず、 その人にとってより良い未来へと導く。 「行動モデル」が実現するパーソナルアシスタント 最適なタイミングで適切な情報を提示することでヒトの意識を変化させ、より良い未来が訪れるような行動を促してくれるパーソナルアシスタント。その実現のためには未来を正確に予測したうえで、ヒトにどう働きかければ行動が変わるかを理解する必要があります。今回は、不合理な判断を含むヒトの意思決定のメカニズムを内包し、“人間らしい”行動をシミュレート可能な「行動モデル」の構築に取り組む、倉島健特別研究員にお話を伺いました。 詳しく見る グループ企業探訪 アーティストを応援するファンを応援する会社としてお客さまに付加価値を提供 CD/DVD等の音楽、アーティスト関連の販売店舗のブランドとして有名なタワーレコードは、NTTドコモグループの会社だ。音楽のダウンロードが普及してきている中、CD等のパッケージメディアを中心にアーティストのファンを応援する取り組みと、将来への展望を嶺脇育夫社長に話を伺った。 詳しく見る Event Report 「つくばフォーラム2020 ONLINE」開催報告 2020年の「つくばフォーラム」は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、例年会場としている筑波研究開発センタ(つくば市)では行わず「つくばフォーラム2020 ONLINE」と題し、10月29〜30日の2日間(展示期間は11月30日まで)にわたり「スマートな社会を実現する アクセスネットワーク 〜IOWN構想を実現する革新技術と事業へ貢献する先端技術〜」をテーマに、オンラインにて開催しました。ここでは、本フォーラムの講演や展示などの開催概要について紹介します。 詳しく見る
特別企画 第6回 光コンピューティングへの第一歩 ノンフィクション作家の野地 秩嘉(のじ つねよし)氏より「ムーンショット・エフェクト──NTT研究所の技術レガシー」と題するNTT研究所の技術をテーマとした原稿をいただきました。連載第6回目は「光コンピューティングへの第一歩」です。本連載に掲載された記事は、中学生向けに新書として出版予定です(NTT技術ジャーナル事務局)。 詳しく見る from NTTコミュニケーションズ リアルより気軽に話しかけられるオンラインワークスペース「NeWork™」 NTTコミュニケーションズは、リモートワールド(分散型社会)の実現に向けオンラインワークスペース「NeWork™」の提供を2020年8月末より開始しています。本プロダクトは2020年6月からコンセプト検討を開始し、3カ月弱という短い期間で開発を行いローンチに至りました。ここでは、プロダクト開発の裏側とNeWork™を支える技術について紹介します。 詳しく見る グローバルスタンダード最前線 第4回APT WTSA20準備会合報告 ITU-TのWTSA(世界電気通信標準化総会:World Telecommunication Standardization Assembly)に向けたAPT(アジア・太平洋電気通信共同体:Asia Pacific Telecommunity)の準備会合(APT Preparatory Group for WTSA20)の最終会合となる第4回会合(APT WTSA20-4)が、2020年11月16~20日、オンライン会議で開催されました。ここではAPT WTSA20-4の結果報告および今後のWTSAのスケジュールについて報告します。 詳しく見る Focus on the News 時間結晶が可能にする、量子の世界の複雑なネットワーク構造を発見 国立情報学研究所、NTT、東京理科大学、大阪大学、JFLI(Japan-France Laboratory of Informatics)は、時間結晶と呼ばれる時間的な結晶状態の中から複雑なネットワーク構造を発見しました。 さまざまな現象の背後にある巨大かつ複雑なネットワーク構造を解析することは、現象を理解する鍵を握っていると考えられますが、その解析には膨大な計算リソースが必要になります。そこで本研究では、「時間結晶」というものと、このネットワーク解明に与るグラフ理論的なアプローチを用いることで、量子系の中に潜むさまざまな複雑ネットワークとその性質をとらえることに成功しました。今回の研究で明らかになった時間結晶が持つ不思議な性質を用いることで、例えばインターネットのような、巨大で複雑なネットワークの解析を量子コンピュータ上で行うことが可能となり、さまざまな応用研究や実社会での利活用が期待されます。本研究成果は米国東部時間2020年10月16日にScience Advances誌に発表されました。 詳しく見る Focus on the News 世界最高速の帯域100 GHzを超える直接変調レーザを開発 NTTは、東京工業大学(東工大)と共同で、高熱伝導率を持つSiC基板上にインジウムリン系化合物半導体を用いたメンブレンレーザを開発しました。直接変調レーザとして世界で初めて3dB帯域が100 GHzを超え、毎秒256ギガビット(2560億ビット)の信号を2km伝送できることを確認しました。 直接変調レーザは、現在、データセンタで広く使用されていますが変調速度に限界があり課題とされてきました。本成果を用いれば、今後予想されるトラフィックの増大に低コスト・低消費電力に対応でき、また本技術の研究開発を進展させることで、NTTが提唱するIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想を支える大容量光伝送基盤の実現に貢献していきます。 本成果は、英国時間2020年10月19日に英国科学雑誌「Nature Photonics」のオンライン速報版で公開されました。 詳しく見る Focus on the News NTTと農研機構が秘密計算技術による作物ビッグデータ活用の共同研究を開始 NTTと、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)は、異なる組織間で共有が困難なため活用されていないデータを、NTTの世界最高速の秘密計算技術を用いて、互いのデータの安全性を担保しつつ活用するための共同研究を2020年10月29日より開始することに合意しました。 本共同研究では、複数の組織が保有する作物データに対する秘密計算技術を用いた解析により、農業研究開発の効率的実施に有益な情報が得られることを示すことを目標としています。本共同研究の成果を踏まえ、広く農業分野にて、異なる組織や企業間で独立して存在し、共有されていない未利用の作物データを相互利用できる枠組みの構築をめざす方針です。 詳しく見る Focus on the News MEMS集積化に向けた新しいカオス信号生成手法の実証に成功 NTTと東京工業大学(東工大)は共同で、従来手法よりも簡便で汎用性の高いカオス信号の生成手法を提案し、微細なメカニカル振動子(機械振動子)を用いて動作実証することに世界で初めて成功しました。 昨今、機械学習や秘匿通信などの情報処理技術の分野において、カオス信号の活用が研究されています。携帯端末や医療応用においてその活用が盛んに進められているMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の分野においても、制御性に優れ、集積化に適したカオス発生素子の研究が進められてきました。今回、メカニカル振動子が示す「秤動」を制御することにより、素子構造の微細化と低電圧駆動が可能な新しいカオス発生手法の実証に成功しました。この技術により、センサの入力情報を同じチップ上で機械学習させる半導体チップなど、新しいMEMS集積技術の発展が期待されます。 本成果は、NTTにおいて素子作製・測定を行い、東工大において理論計算に基づいたデータ解析を行うことによって得られたものであり、米国の科学誌「フィジカルレビューレターズ」(米国東部時間2020年10月23日付)に掲載されました。 詳しく見る